中日・落合年俸問題 球団との“闘争”中に強烈インパクト見出し!!

2020年05月14日 11時00分

落合は信子夫人、福嗣君(右から)と大はしゃぎでソリ遊び。家族仲の良さは今も昔も変わらない

【球界平成裏面史(22)、中日・落合年俸問題(4)】「落合家チンポ丸出し放送 TVに放尿シーンがバッチリ! 中日ボー然」。平成2年(1990年)10月18日付の本紙1面見出しは世間にも強烈なインパクトを与えた。ただし、記事は1面ではなく2面。「ジミー佐古田の麻薬最前線㊤ コンドーム麻薬流行中」が1面記事で、さらに左上にはフォト特報として女優・富田靖子のキスシーン写真が大きく掲載されていたが、何よりも「落合家――」の見出しにものすごい反響があった。

 記事は2面左上に掲載された。タイトルカットは「デスクと記者のナイショ話」。令和の現在も続く本紙野球面の名物コーナーで展開したもの(※別項参照)。テレビ番組中の当時3歳の福嗣くんら落合家のシーンのいくつかに、複数の球団関係者が眉をひそめたわけだが、ここまで中日サイドがこの番組に反応したのは星野仙一監督の「家族は表に出さない」との考えが関係していた。それでなくても落合家は信子夫人や福嗣くんの露出が多く、その辺も星野監督とのズレの一つ。そんな中での、あの番組だっただけに球団関係者たちは「大丈夫か」と心配したのだ。

 この記事内容をデスクに報告したのは、まぎれもなく記者。だが、正直、ここまでの見出しになるのは想像していなかった。この記事を見た球団の人たちも一様に、その中身よりも見出しに驚き、冷たい視線を記者に浴びせた。それまで大幅年俸アップを狙う落合に対して厳しい声ばかりが上がっていたが、それも一気になくなる勢いで「何だよ、これは…」。新聞社には見出しなどをつける紙面レイアウト担当がいる。「落合家――」の見出しも記者がつけたものではなかったが、そんなことが通用する雰囲気でもなかった。

 記者は名古屋市千種区の落合邸に向かった。記事の中身はともかく、見出しに関してはひと言、わびを入れた方がいいと思ってのことだった。意を決してインターホンを押した。出てきたのは信子夫人だった。「このたびはテレビのことの記事で…」みたいなことを口にすると、その言葉をさえぎるように、信子夫人からピシャリとこう言われた。「ウチはね、子供を伸び伸びと育てようとしているの。いろいろ言われるようなことはないわよ」。この「落合家――」の見出しは東スポの代表作の一つとして伝説にもなっているが、記者にとっては、それこそ嵐のような出来事だった。

 そんな騒動も経て、落合の年俸問題は進行していった。それは年内に決着することなく、翌3年に持ち越された。平成2年シーズンで本塁打、打点の2冠に輝き、年俸1億6500万円から大幅アップを狙う落合の希望額は2億7000万円。一方、チームが4位に終わったこともあってアップ幅を抑えたい中日球団の査定額は2億2000万円。この金額で、ついに日本人選手初の調停が申請された。平成3年2月28日に行われた第1回調停委員会。その場で落合は、平成2年シーズンを最後に巨人を退団したウォーレン・クロマティ外野手の名前を持ち出し、自分の主張の正当化を訴えた。

【「デスクと記者のナイショ話」再録】中日担当記者 2億円年俸闘争が注目される落合にまた問題が持ち上がりました。テレビで…。

 デスク あの番組のことか。あれにはビックリしたよ。長男・福嗣ちゃんが、食事の置いてあるテーブルに飛び乗って放尿したシーンとかが、もろだったもんな。

 記者 テレビ局もよく撮ったと思うし、落合家もよく撮らせたもんですね。

 デスク で、やっぱり球団もドッキリってわけか。

 記者 球団関係者は「中日ドラゴンズのイメージを損なわないように、と言っていたのに…」と嘆いていました。

 デスク ほかにも落合がエプロン姿で台所に立ったり、福嗣ちゃんがお金をバラまいたり、見方によってはイメージダウンになりそうなシーンがあったしな。

 記者 球団広報部も「あれがイメージダウンになるか、ならないか、いろんな人に意見をこちらが聞いてみたいところです」と言っていました。今のところ、球団上層部から何も言われていないようですが、球団広報は戦々恐々って感じですよ。

 デスク まさしく問題児・落合の面目躍如だな。まさか息子の放尿シーンが元で放出問題に発展することはないだろうけどなぁ――。