30代中堅選手に忍び寄るコロナ引退の足音

2020年05月09日 16時30分

 何もしないまま「クビ」もある!?

 プロ野球の開幕延期が続く中、複数中堅選手がリストラにおびえ始めている。仮に今季シーズンが短縮、中止となれば昨季の成績を踏まえ真っ先に人員整理の対象になる恐れがあるからだ。

 パの球団関係者によれば、すでに複数球団が最悪のシナリオを想定。シーズンが開催されなかった場合に誰を戦力外にするのかを選定し始めているという。

「まだシーズンが短縮という形で開催される可能性は残っていますが、今季がどんな形になろうと今秋のドラフトで入ってくる新人のために選手枠を空ける必要がある。必然的に昨季成績を基準に1球団あたり最低でも5~6人を戦力外にしないといけない。ただ、プロ入り後2、3年の若手らは伸びしろへの期待がありますし、ベテランも引き際にはこだわるので球団も簡単にはクビを通告できない。そうなると30代を中心とした中堅選手が今季アピールすることなく、オフに割を食う可能性は高いと思います」(前出関係者)

 不穏な空気は自主練習を続ける現場の選手も察知している。その影響もあるのだろう。ある球団では全選手、関係者に外出自粛を通達しているにもかかわらず、球団施設の使用可否や首脳陣の視察状況をスタッフに聞いてくる選手もいるのだとか。

 あるコーチは現状をこうつぶやく。
「選手が先の見えないシーズンやオフの去就に不安を抱えるのは理解できる。ただ、この期におよんで練習嫌いだった選手が急に練習に出てきて首脳陣の顔色をうかがいながらアピールされるのも複雑な気持ちになる。そんな危機感を持っていたのなら『もっと前から野球に対して真摯に取り組んでおけよ』と」

 とはいえ、選手の気持ちもわからないでもない。同コーチは「やるだけやって結果が出なければ戦力外も受け入れられるだろうけれど、昨季の成績で判断されて今オフにクビではやるせないはず。球団やNPBが何らかの救済措置を設ければいいのだろうけど、どちらも経営を圧迫されているはずだから…。難しいだろうね」とも続けた
 未曽有の災禍で今オフの中堅選手を襲う「コロナ引退」。その足音は確実に近づいている。