巨人・阿部二軍監督 前代未聞のサバイバル遠征「飯は用意しなくていい!」

2020年05月07日 16時30分

熱血指導が注目される阿部二軍監督

【取材のウラ側 現場ノート】プロであれだけの成績を残せたことにはやはり理由があった。そう痛感したのは巨人の阿部慎之助二軍監督(41)がキャンプ中に前代未聞の“腹ペコ遠征”を画策していたと知った時だ。

 今季から就任した阿部二軍監督は宮崎春季キャンプでは熱血指導で一軍をさしおき連日、話題を独占した。だがキャンプ前半での姿はあくまでも“試運転”。本領発揮は一軍が沖縄に移動し、メディアが減った2月後半だった。

「2月22日にオリックス二軍との練習試合が(宮崎市内の)清武第2球場であった。現地の食事はこちらで用意しないといけないんですが、阿部監督がスタッフに『用意しなくていい』と準備させなかったんです」(二軍スタッフ)

 いったいどういうことなのか。栄養士が帯同し健康管理が徹底されるプロ野球選手なら、食事は用意されていて当たり前だが…。阿部二軍監督の“思惑”は、その考え方を改めさせ、注意深く人の話を聞き、先を読む力をつけさせることが狙いだったという。

「選手には朝にさらりと伝えており、選手自身で出発前にサンマリン球場の食堂から、おにぎりやパンを持参しなければ空腹を味わうことになる。一度、おなかがすいてひもじい思いをすれば身に染みて分かりますから」(同スタッフ)

 実際に自分で軽食を用意し、遠征バスに乗った選手は数人。指揮官は内心ほくそ笑んだが「別の裏方さんが監督の狙いが分からず、軽食を用意してしまった。何も準備してなかった選手もそれを食べたので作戦は“不発”に終わりました」と前出のスタッフは残念がった。

 阿部二軍監督は「自分で考えて動くようじゃないと一軍では通用しない」と二軍スローガンを造語の「考動」(こうどう)に決めた。キャンプ前「ウチは巨人軍。軍だから」とニヤリと笑っていた青年監督が計画した、文字通りのサバイバル訓練。その根底に流れるのは一人でも多くの若手に一流選手になってほしいとの思いだ。

 またいつ、何を仕掛けてくるか。既存の枠には収まらないアイデア監督に今後も注目だ。