メジャー仕込みの“岩隈式支援”はどこまで広がるか。巨人・岩隈久志投手(39)が新型コロナ感染の最前線で闘う医療従事者を支援するため、1000万円を東京都に寄付する。

 岩隈は30日に球団を通じて「一人一人が思いやりや優しさ、感謝の心を持ち、力を合わせて乗り越えていきましょう。頑張ろう、東京」とのメッセージも発信。寄付金は都内の医療機関などで役立てられる見込みだ。岩隈が一念発起したキッカケは24日に原監督ら5人が総額5000万円を寄付したことだが、球団を驚かせたのは「自主的に一人で寄付を申し出てきたこと」だったという。

 岩隈が6年間過ごした米国では、寄付やボランティアなどは一般的な活動として認知されている。本人にとっては、ごく自然な行動だったのかもしれない。

 ただ、球団関係者は「元メジャーリーガーは考え方も違うなと思わされた。周囲の目を気にしたりすることなく、自分から行動に移す」といい「日本には一部で金額が多いとか少ないとか、タイミングが早いとか遅いとか、うがった見方をする人もいるけど、本来の寄付ってそういうものじゃないでしょう? 寄付したい人が自分の身の丈に合った寄付をすればいいと思う」とも語った。

 球団も医療用マスク4万枚を寄贈するなど社会貢献には積極的。先日、同じく東京都に1000万円を寄付したエース菅野も、医療機関を慰問した昨オフには「若い選手にも続けてもらわないといけない。勘違いしちゃいけないのは、ユニホームを着ている時だけが仕事場じゃないので。グラウンド外でも、できることはたくさんありますし」と活動の重要性を説いていた。

 年俸の高低にかかわらず、周囲に流されることもなく、自分で考えて行動する。今回の岩隈流を機に、支援の輪はさらに広がるのか――。