阪神・福留 若手の手本「43歳の打撃調整能力」

2020年04月27日 16時30分

誕生日を祝福される福留(阪神タイガース提供)

 まだまだ教わることはたくさんありそうだ。阪神・福留孝介外野手は、43歳の誕生日だった26日に甲子園球場で後輩選手たちからクラッカーや手作りケーキなどで祝福され「チームのみんながお祝いしてくれたし、健康で43歳を迎えられたということが第一」と喜びのコメントを発信した。

 今季でプロ22年目。ここ数年は“積極的休養”を挟んでのプレーとなっているが、現役最年長となっても打撃技術は衰え知らず。依然として中心打者であることに変わりはない。

 好不調の波が少なく、出場すればコンスタントに結果を残せるのには理由がある。現役時代に中日で福留と一緒にプレーした経験もある井上一樹一軍打撃コーチ(48)は練習のルーティンにその秘密があるという。

 特に同コーチが絶賛したのは、キャンプ中のフリー打撃でも披露していた調整力だった。左右2人の打撃投手とスローカーブマシンの3か所で順に打つ練習で、福留は最初に左投手と対峙すると、右方向にドライブ気味の伸びを欠いた打球を連発。続いて臨んだ変化球マシンに対しては、バットの芯に当てることだけを意識し、ミート重視で打球は逆方向へ。最後に右投手を相手に再びフルスイングに戻すと、右方向に伸びのあるライナーをはじき返していった。

 この文字通りの軌道修正に“あっぱれ”を連発していたのが井上コーチで「調整能力というのはまさにこのこと。漠然と練習を消化するだけじゃなく、何かを感じたら、それを課題に設定して一定の時間で、解決を見るところまでやれる能力。練習でもすぐに試行錯誤ができる選手は、シーズンで大きなスランプとかに陥らない。なぜかと言えば、ちょっとでも『ヤバい』というアンテナが働けば、周りが黙っていても、こんなふうに微調整という名の知恵を働かせることができるわけだからね」と感心しきりだった。

 新型コロナウイルスの影響で開幕を迎えられない厳しい状況は続くが、自分磨きをする時間は十分にある。若虎にとっては大ベテランから“匠の技”を学ぶ、いいチャンスかもしれない。