Gの「3トップ」が本業外でも奮闘中だ。新型コロナウイルスの影響で日本全体が不安と閉塞感に包まれる中、個人での調整を続ける巨人の主将・坂本勇人内野手(31)とエースで選手会長の菅野智之投手(30)、生え抜きチーム最年長となった亀井善行外野手(37)が中心となり、ある“難題”にも挑戦しているという。気になるその中身とは――。

 先は見えずとも、前へ進むしかない。ジャイアンツ球場ではさまざまな感染防止策が講じられ、Gナインが調整を続けている。1日からは報道陣も立ち入り自粛となり、外部への情報発信は球団広報や公式SNSを通じたものだけになった。その中でも、実は特別な思いから情報を発信しているのが主力3選手だという。球団関係者は「坂本に菅野、亀井。主にこの3人が『こういう状況だからこそ、何とか明るい話題を提供したい』と言ってくれている」と明かす。

 日本全国に発令された緊急事態宣言はひとまず5月6日まで。気軽に自宅から外出することもできず、ストレスを感じる人も少なくない。やむを得ないとはいえ、連日耳目に飛び込んでくるのはコロナ関連の暗い話題ばかり…。球界の情勢も逼迫しているとあって、3人は開幕を心待ちにするファンへポジティブ情報を届けたいという。

 確かに、普段ならやらない取り組みにもチャレンジしている。坂本は異例の外野ノックに挑み、捕球地点に向かう主将を亀井がダッシュで追いかけながら動画撮影。あまりの“接写”には坂本も「危ねえ~。ヤバい、近いし!」と大笑いだったが、映像は迫力満点だった。また、高校時代に上宮太子(大阪)でエースとして鳴らした亀井はブルペンをジャック。「俺は二刀流だから」と32球の投げ込みを行った。

 さらに、菅野は驚異の“スゴ技”を披露。ブルペンで自身が投じた球を「137・5キロ」と予想し、スタッフが計測器で球速を確認すると「137・5キロ」とピタリ。極めつきは、精密機械のような球速の調整力で「140・3キロ」と宣言して投げた球は、寸分の違いなく「140・3キロ」をマークした。他の投球でも菅野の感覚と実際の球速との誤差は、いずれも「1キロ以内」という離れ業だった。

 こうした意外な姿を届けられるのも「明るい話題を」の思いがあるからこそ。本人たちもG球場と自宅を往復する日々を送っている。マンネリ化も防ぎたい調整期間。もちろん調整が最優先ながら“ネタづくり”も忘れない3人はチームに新風を吹き込みつつ、今度はどんな「新作」を生み出すのか、目が離せない。