伊原春樹氏が緊急提言 「全球団が一定期間練習中止に」

2020年04月20日 16時30分

3月下旬に感染者を出した阪神では球団施設の消毒に追われた

 阪神の藤浪晋太郎投手(26)ら3選手に続き、巨人の嘱託職員の新型コロナウイルス感染が確認された。選手への感染は確認されていないが、不安は尽きない。各球団でそれぞれ対策を講じているが、プロ球界に広がるコロナ禍に本紙専属評論家の伊原春樹氏は「コミッショナーが主導して全球団で一定期間、練習中止にするべき」と緊急提言した。

 巨人はカメラマン業務を行う60歳男性の嘱託職員がPCR検査を受けた結果、陽性と判定されたと18日に発表した。

 男性は3月下旬以降、川崎市のジャイアンツ球場で個人調整中の選手を撮影していた。発熱した12日以降は自宅待機となっており、この男性と接触があったとみられる球団職員7人も同じく自宅待機とした。また、男性と選手や監督、コーチ、トレーナー、通訳などチーム付きスタッフとの至近距離の接触はなかったことが確認され、G球場の施設内も消毒したという。

 目に見えないウイルスに球界はどう対処すべきなのか。巨人は個人調整を継続する一方で、練習そのものを中止にした球団もある。各地域ごとでの“温度差”もあり、対応にはバラつきが見られる。こうした状況に伊原氏は警鐘を鳴らす。

「巨人はオープン戦中から遠征先での外出禁止など感染対策を徹底してやってきた。それでも職員に感染者が出てしまった。球団の施設に大勢で集まって個別調整をするのは、やはり感染が広がる危険性が高い。このまま続けていけば、選手はリスクを負ったまま日々を過ごさなければならなくなる」

 とはいえ、プロ野球選手にとって「練習」は職業として欠かせないものだ。伊原氏も「各球団が選手各自に調整を任せている今の形では、プロなら練習して当たり前。開幕が決まった時に100%の力を発揮しなければならない。自分が練習していない間にライバルや対戦相手が練習をしていると思ったらやめられない」と言う。

 ただ、練習の可否による選手たちの不公平感をなくすには、やはり力のある旗振り役が必要だ。伊原氏は「斉藤コミッショナーが主導する形で一定期間、全球団に練習中止を命じるべき。コミッショナーは野球界における総理大臣。12球団が足並みを揃えることで選手たちのリスクも軽減される。コミッショナーは12球団とネットを通じて会議して、一日も早く英断を下してほしい」と強いリーダーシップを期待する。

 練習中止期間は「各自が自宅でウエートトレーニングをするなどして状態を維持するしかない。それが今できる精一杯では」と伊原氏。来月6日までの緊急事態宣言は全国に拡大された。これ以上、球界にコロナ禍が広がれば、先はますます見通せなくなる。NPBは難局をどう乗り越えていくのか。