早くととのいたい。コロナ禍に揺れる阪神は15日から選手たちの自主トレを再開。新人選手たちも二軍施設の鳴尾浜球場でキャッチボール、ウエートトレーニングなどで汗を流し、ドラフト1位右腕の西純矢投手(18=創志学園)も「久々にグラウンドを使った練習ができて素直にうれしい」と野球ができる喜びをかみしめた。

 ルーキーイヤーの今季中に一軍で初勝利を挙げることを目標に掲げている西純だが、野球道にのみまい進しているわけではない。プロの世界に飛び込んでから改めて学ぶことになったのは「サ道」。サウナの奥深き世界だ。

 高校在学時から疲労回復のためサウナによく入っていたという西純は、阪神入団以降も若手寮・虎風荘内にあるサウナを愛用してきた。だが西純の“サ活”には致命的な欠点が…。「実は僕、サウナの後の水風呂が苦手でこれまでほとんど入ってなかったんです。そしたらサウナの中で(チームメートの)高野さんに怒られちゃいまして…」(西純)

 昨季ロッテからトレードで阪神に加入した高野圭佑投手(28)はチームきってのトップサウナー。休日には全国の名店と呼ばれるサウナを渡り歩くほどだ。サウナの本質とはサウナ→水風呂→休憩の温冷交代浴を繰り返すことで「ととのう」と呼ばれる究極のディープリラックスを味わうこと。その快楽を誰よりも深く知る高野だからこそ、水風呂を軽視する西純の姿勢は看過できなかった。

「だってアイツ、サウナが好きって言ってるくせに全然水風呂入らないんですよ!『お前それじゃ意味ないだろ。ととのわないだろ!』って(西純に)言ってやりましたよ」(高野)。これには西純も「これからはちゃんと水風呂にもしっかり入ることにします」と頭をかくしかない。

 だが阪神はチーム内からコロナウイルス感染者を複数出してしまったため、感染予防の観点から虎風荘のサウナは当面の間使用禁止に。若き虎サウナーたちは復活を心待ちにしている。