直球の衝撃度にも劣らない 朗希の強靭メンタル

2020年04月10日 16時30分

3月27日に打撃投手を務めた佐々木朗

【赤ペン!!赤坂英一】いま振り返ると、3月27日のロッテ本拠地・ZOZOマリンスタジアムが、今年一番のプロ野球らしい取材現場だったかもしれない。なにしろ、中畑清、槙原寛己、上原浩治、清水隆行と、新旧大物巨人OBの各氏が勢揃いしたのだから。

 彼らのお目当てはもちろん“令和の怪物”佐々木朗のフリー打撃登板である。2度目だったこの日は真っすぐ以外にフォーク、スライダーと変化球を織り交ぜて計40球。しかも相手打者の1人が元甲子園のスターで、ドラフト1位の先輩でもある安田尚憲だ。コロナ禍さえなければ、球団がスタンドを一部開放し、ファンから拍手と歓声を送られたことだろう。

 それにしても、偶然とはいえ、巨人の大物OBが4人も、それぞれ個別の取材で足を運んだ新人は、最近ではほかに例がない。そこで思い出したのが、現役時代に巨人戦となると人一倍ハッスルしていた某セ球団OBのこんなセリフである。
「佐々木朗のストレートは、個人的に江川卓以来の衝撃だった。ただし、同じ真っすぐでも、両者の球質はまったく違う。江川の真っすぐは打者の手元でホップするように伸びてきたけど、佐々木朗は上から下へ、大きな角度でドドーッ!と押し寄せてくる感じだな」

 そういえば、ロッテ・吉井投手コーチは、石垣島キャンプで初めて佐々木朗の投球を見たとき、その衝撃度を元近鉄の大エース、野茂英雄以来と語っていた。江川と野茂の両者以来とは“平成の怪物”西武・松坂でも言われていないはずだ。

 しかし、実戦で投げる前からここまで持ち上げられたら、本人にとってはかなりのプレッシャーになるのではないか。と思っていたら、佐々木朗はメンタルの強さも相当なものだと、吉井コーチはこう強調していた。

「これだけ注目されてる中で、彼はいつも普通にストライクが取れてるでしょう。あれがすごいんです。スピードばかりが注目されるけど、野球とは速さを競う競技じゃないからね。どんな状況でもストライクが取れる制球力が大事。佐々木朗にはそれが備わってる」

 ちなみに、吉井コーチ本人の新人時代は「コントロールはめちゃくちゃ」。一軍初登板は2年目、初勝利は4年目で、5年目にやっと抑えで一軍定着を果たしている。それが、伝説の「10・19」に登板した1988年だった。