阪神OB・中込氏がナインへお願い

2020年04月09日 16時30分

甲子園球場近くで焼き肉店を営業している中込氏

 勝って俺たちを助けてくれ――。阪神は球団事務所および本拠地・甲子園球場のある兵庫県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、全選手・全球団職員の自宅待機を無期限で延長することを決定。さらに8日からはこれまで報道陣などに開放されてきた甲子園球場も、無期限で閉鎖休業されることになった。

 コロナ禍は球団経営だけでなく、地域経済にも深刻な打撃を与えている。平時とあらば常時4万人を超える大観衆を動員する阪神の主催試合は、地元商店を大いに潤してきた。球団OBたちもこれらの集客を見込み、現役引退後に甲子園球場近辺で飲食店を開業するケースが多い。

 だがNPB12球団は開幕延期を見込み、当初143試合を予定していた公式戦の削減も視野に入れた形で既に動きだしている。さらに開幕を迎えることができたとしても、ソーシャルディスタンス確保の観点から収容観客数の間引きを強いられることも不可避な状況で今季の観客動員数は例年より大きく落ち込むことは確実だ。

「そもそもこんな状況ですし、阪神の試合もありませんからね。売り上げはひどいもんです」と嘆くのは、甲子園球場から徒歩5分の場所で「炭火焼肉 伸」を営む阪神OBの中込伸氏(50)。甲子園での主催試合終了後は、虎党たちが深夜まで集うなど恩恵を受けてきたが、今季ばかりはいまだ訪れぬ“球春”にため息をつく。

 だが希望も捨てていない。「今年の阪神は投手力も充実してるし、助っ人大砲候補も複数獲得した。優勝も狙えるんじゃないかと思ってます。こうなったらシーズン優勝、CSファイナルステージの開催、日本シリーズの開催で甲子園にお客さんをたくさん連れ戻してほしい。期待しています」。1990年代に主軸投手として猛虎を支え、台湾でも活躍した中込氏は後輩に切々と訴えた。

 阪神が35年ぶりの日本一に輝くとなれば、その経済効果は大いに期待できる。ファン、地域、そしてOBたちに笑顔を届けるためにも、虎ナインに課された今季の使命は大きい。