阪神 コロナ感染・伊藤隼は退院も「お前らが言うな」に怯える

2020年04月06日 16時30分

矢野監督も困惑!?

 深く負った傷は簡単には癒えそうにない――。新型コロナウイルスに感染した阪神の3選手のうち、大阪府内の病院に入院していた伊藤隼太外野手(30)が4日夜までに回復を確認するためのPCR検査で2度続けて陰性となり、5日に退院。球団を通じて「ファンの皆さま、野球界に携わる多くの方々にご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。今後これまで以上に真摯に野球に取り組んでまいります」などと陳謝した。当面は病院の指示で自宅待機する。

 同じく入院中の藤浪晋太郎投手(25)と長坂拳弥捕手(25)も退院に向けたPCR検査中だというが、晴れて3人とも退院となっても世間から向けられている厳しい目が変わるわけではない。球団関係者によれば、今後はファンサービスの分野で「特に気を使うことになる」という。

 開幕が無期限延期となっている状況下で、各球団はSNSなどを使って情報発信を続けている。なかでも各チームの主力選手が手洗いやうがいを実演する動画はテレビを含めた各方面で話題にもなっているが、阪神の営業関係者は「うちはたぶん、その見せ方はできない」と肩を落とす。

“啓蒙”で墓穴を掘ったことも二の足を踏まざるを得ない理由だ。藤浪が球界の感染第1号となった際には、嗅覚や味覚異常を訴えた直前の症状を挙げ「今後の拡大防止に役立てて」と本人と球団の総意で経緯説明を行った。しかし、その後になって3選手は球団内外の複数の男女と会食した際に感染していたことが判明。「このご時世で行く?」と批判の的となっている。この状況で虎戦士が動画などで「手洗いやうがい」の重要性を訴えても「お前らが言うな」とツッコミが入るのは避けられそうにない。

 ソフトバンクの工藤監督はユーチューブの球団公式チャンネルで「おうちで工藤塾」と題して室内で簡単にできるトレーニング方法などを実演して話題を呼んだ。これは矢野監督も無観客試合が続いたオープン戦期間中に「ファンとの距離を縮めたい」と温めていた手法だが、選手の集団感染で「やりづらい状況となってしまった」(前出の営業関係者)。

 もはやファンサービスさえ軽々しく行えない。現在、停止中のチーム活動の再開後も、12球団で最も粛々と開幕に備えることになりそうだ。