ソフトバンクは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、31日からチーム活動をすべて休止する。再開は未定で選手らの不要不急の外出も「自粛」から「禁止」となった。本拠地の福岡では28日に県が外出自粛を要請。30日にはゴールデンウイークに例年200万人を動員する「博多どんたく港まつり」の中止が主催者から発表された。

 警戒レベルがまた一つ引き上げられたことで、球団の危機管理意識も一段と高まっている。打線の中軸を担うキューバ人選手の「来日調整問題」も懸案の一つだ。

 アルフレド・デスパイネ外野手(33)とジュリスベル・グラシアル内野手(34)は9日に五輪予選のため離日。その後、コロナ余波で大会が延期に追い込まれ、現在はデスパイネが長引く左手首痛、グラシアルが骨折した右手小指のリハビリも兼ねて温暖な母国で調整中だ。

 いつチームに戻すべきか――。国際部を中心に球団内で議論されているのが再来日のタイミングだ。「社会情勢に鑑みれば今後も開幕は不透明。キューバ勢の来日判断は非常に難しい問題だ。日本国内の感染状況を考えれば調整面で(現時点で日本より感染者数が少ない)キューバにとどまるのが賢明とも言える。一方で遅らせると入国制限の問題もある」と球団は頭を抱える。

 キューバ勢の来日ルートはフランス経由が基本だった。しかし、現在は日本政府の入国拒否措置の対象国となっているため、国際部はキューバ政府と連携して他のルートを模索するなど情報収集に追われている。入国できても検疫所長が指定する場所での14日間の待機要請があることも念頭に、適切な来日ルートと時期を計っているところ。いつになるか分からない開幕日を待っていれば入国制限が世界的により厳しくなる可能性もあるだけに、難しい判断を迫られそうだ。