26日に新型コロナウイルス感染が発覚した藤浪晋太郎投手(25)に続き、阪神は27日に新たに伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)の感染を発表。同日に会見した揚塩健治球団社長(59)によると、感染した3人は14日に球団外部の人間5人を加えた計12人で食事会を開いていたという。仮にこの食事会が今回の集団感染の“震源地”であるならば、選手の残り4人の実名と現状も気になるところだ。

 しかし、ある阪神OBは「もう『残りは?』とか言っている状況じゃない。阪神以外の球界関係者から感染者が出るのも時間の問題」と語る。3人がウイルスの潜伏期間中も練習試合に出場し、他球団の選手や関係者とも“接触”した事実を指してのものだ。藤浪であれば、感染発覚前に最後に登板したのは18日にオリックスの施設・オセアンBSでの二軍練習試合。オリックス選手がそこを接点に感染し、他の球場へ菌を持ち込み、水面下で“拡散”している可能性も否定できない。

 そのうえで「こうなった以上、もっと別のところに気を使ってもらいたい」と言う。今後、球界から新たな感染者が出た場合、選手の実名公表は避けてほしいというもの。「プロ野球選手だからといって、感染を実名報道する流れはね…。世間で報道されている感じで『×歳の選手』とか、トレーナーなら『×歳のチームスタッフ』で十分。感染の有無や状況を公表するのは大事ですが、今後は『球団で今、何人、感染中か?』になる。これもPCR検査同様に12球団で統一形式で公表すればいいだけのことですし、今回は藤浪君の意向もあり、実名報道されましたが、家族がいる選手もいる。学校に通う選手の子供たちへの影響を考えれば、こういった部分は配慮されるべき」と訴える。すでに球界内で感染阻止への“水際”は破られたのが現実。別組織の集団と戦い、各地を転戦するのが日常業務のプロアスリート経験者ならではの声とも言えそうだ。