西武・松坂大輔投手(39)の「修正力」は、若きレオ投手陣のいい手本となりそうだ。

 22日、日本ハムとの練習試合(メットライフ)に登板した松坂は5回4安打5四死球で4失点の内容ながら、打線の爆発で試合は9―6と逆転勝ち。シーズン中によくある西武の勝ちパターンのひとつだった。

 立ち上がりからノーワインドアップ投球を試すも制球は乱れた。2回は38球を要し、押し出しを含む3四死球、3安打で3失点を許すワーストイニングとなった。

 しかし、ここから修正を図り、松坂は3回以降、状況にかかわらずセットポジションでの投球に切り替え、その後の3イニングを29球で1安打1失点とまとめて、予定されていた5回(84球)を投げ終えた。

 松坂は「今日の一番の課題は球数を投げること。そしてイニングを投げること。5回を投げられたのはよかった。2回に失点したがもっと試合の序盤から4回、5回のようないい感じで脱力投球をしていきたい」と反省と収穫を語った。

 この日の投球を見た辻監督は「今日は割と良かったと思う。1、2回は力みがあって球が高めに浮いていたけど、非常にボールは動いていた。高めに行くと打者に見切られるのでもう少し低めにということ」と評価しながら、その修正力を改めてこう評価した。

「このチームは(1回で)3点取られたって(打線が)打ってくれるんだぞと改めて松坂が感じてくれたら。そういう形で5回なり100球ぐらいで行けるところまで行ってくれたら、勝てるチャンスはある。そう思ってくれたら松坂本人にも計算が立ってくると思う。ここは1点やってもいいな、というところで無理して守る必要もないし、そういう抑え方を今後もやっていってくれたら」

 一般的に先発投手に求められる理想的なノルマ=6回以上を自責点3以内で抑える投球をクオリティースタート(QS)という。

 しかし、西武は昨年のチーム総得点756点(1試合平均5・29)の強力打線を持つチーム。この日、松坂が2―3と逆転を許した直後の2回裏に4本の適時打で4点をもぎ取り再逆転に成功したように、たとえ1イニングで5失点のビックイニングをつくられたとしても、その後を粘り試合を立て直せば勝てる可能性は十分。その修正力さえあれば6回5失点でさえ「ライオンズ・クオリティースタート(LQS)」と呼ばれチームに勝つチャンスを与えられるのだ。

 この日、松坂が見せた3回以降の修正力は西武先発陣に求められる「LQS」そのものであった。