開幕戦の延期で阪神の007部隊が頭を抱えている。現状の予定通り4月10日開幕となれば、本拠地・甲子園でのヤクルト戦が「開幕戦」となり、20日からのヤクルトとの練習試合3連戦は格好の“前哨戦”となるが、猛虎スコアラーは「全くアテにならない可能性も高いよ」と漏らす。

 阪神ではスコアラーが映像資料として公式戦用に素材やリポートを作るのは基本、該当試合の約10日前や、3カード前あたりから。ある担当スコアラーは「そうじゃないと、とくに打者は全く違う情報やリポートを出しかねない」と言う。「対戦直前に投手の球速が5キロ以上アップしたり、球種が増えたりするのはまれだが、打者はたった1打席で変わる。だからこそ、その前後15打席ぐらいの過程が大事」だからだ。

 さらに別の他球団担当スコアラーによると、現場からは「野手の新外国人選手の分析資料が欲しい」とのリクエストも受けたという。ヤクルトならエスコバー、DeNAのオースティン、巨人のパーラ、広島のピレラなどが挙がっているが、練習試合日程はヤクルト↓DeNA↓広島↓巨人の順。仮に開幕再延期となれば、本番用資料としては賞味期限切れとなる確率が高い。

「例えば練習試合でやるヤクルトと、開幕戦で戦うヤクルトは日程上、5カード分空いている。気分屋の外国人選手であれば、良くも悪くも完全に『別人』の可能性だってある」。この悩みは何も阪神に限ったことではないだろうが、スコアラー陣も「開幕戦決定」の報をヤキモキしながら待っている。