コロナ対策厳格化ならアウト 原巨人を悩ますロッカー濃厚接触問題

2020年03月19日 16時30分

東京ドームのロッカーは昔と比べるとスペースはあるが…(写真は08年当時)

 新型コロナ対策はどこまで及ぶのか――。チームとしての調整を継続しつつも可能な限り感染防止に努めている巨人だが、感染症対策の専門家チームから示された提言を実行するのは本当に可能なのか。その内幕をのぞいてみると、総勢89選手の大所帯球団が抱える何とも悩ましい「ロッカー問題」が浮き彫りとなった。 

 プロ野球界にも及ぶ「国難」をどう乗り越えるか。新たな開幕日から逆算した調整もままならない中、巨人は18日の全体練習で下半身の強化メニューを導入。野手を中心に東京ドームのスタンドの階段をダッシュするなど、普段とは違った取り組みも行った。原監督は「今日は体全体を張らせるということ。3月のこの段階においては開幕までまだ時間がある。だから、練習のメリハリを持たせながら。今日はランニング面に関して少し矯正したというところ」と説明した。

 それでも先行きは不透明。チーム内に漂うモヤモヤ感を察知したのだろう。主将・坂本は打撃練習の合間に吉川尚ら若手内野手のノッカー役も買って出て、不規則な回転をつけた打球を前後左右に乱れ打つだけでなく打撃ケージ内からも二塁手を“集中砲火”。「オイッ!」とツッコミを入れながらもり立て、吉川尚も「キッツ…」と充実の汗を拭っていた。

 球界は見えない開幕に向けて突き進むしかない状況で、感染拡大防止策がどこまで厳格化されるかは大きな懸案だ。「ロッカー」を巡る問題もその一つ。先の専門家チームによる会議では濃厚接触を回避するため、「時間差利用」や「可能な限り1・5~2メートル以上の間隔」を取るよう提言がなされた。試合が終われば、一斉に引き揚げてくるロッカーで実際に可能なのか? 複数の巨人関係者の話を総合すると、限りなく不可能に近いという。

 まず東京ドームではホーム側が使用する一塁側に選手ロッカーは2か所あるが、すでに満員の状態。一定の距離を保つため、仮に使用するロッカーを間引くとすると「打撃投手や裏方さんたちの居場所を通路とかに移しても足りない」(球団スタッフ)とのこと。

 また、時に一軍も使用するファーム施設のジャイアンツ球場ではもはや“定員オーバー”。二軍スタッフによると「ただでさえ足りなくて、1つのロッカーを2人で共用しているところもある。とても間引くことはできないでしょう」と頭を抱えた。巨人は一~三軍を抱える大所帯。これまでにも三軍メンバーのスペースがなく、室内練習場の一角で着替えをすることは何度もあった。

「提言」がルール化されれば、ロッカーから締め出される選手が続出することは必至。それとも、資金を投入して新たな施設を建設するのか…。いずれにせよ、一日でも早くコロナ禍が収まらない限り、野球にだけ集中できる日常は取り戻せそうもない。