日本スポーツ界で長年親しまれてきた“風物詩”が消滅危機だ。

 日本野球機構(NPB)とJリーグが共同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」が12日に開かれ、今後の対策に関する提言がまとめられた。提言は6項目で構成され、選手やチーム関係者に感染者が出た場合や観客への対応などに関して具体例も交えながら記載された。

 この提言をもとに両団体は試合開催時の対策を進めていき、NPBは4月10日以降の開幕、Jリーグは同3日の再開を目指すと発表。Jリーグの村井満チェアマン(60)が「無観客(試合)を否定するわけではないが、最後の手段まで回避したい」と語ったように、両団体とも観客を入れての通常開催を予定している。

 今回の提言では、感染リスク別に応援形式の具体例も明示されるなどファンやサポーターにとって気になる内容が盛り込まれたが、なかでも注目なのは「スタジアム内でのアルコール飲料販売の抑制」の項目だ。

 具体的な抑制方法として「観客席でのビール販売を全面的にやめて売店での販売に限定する」「観客席でビールを売る販売員の数を削減する」と例示され“ビールの売り子”が姿を消す可能性が出てきたのだ。

 ビールの売り子は特に野球場で長年親しまれ、近年は美女揃いで“球場の華”として注目度が高い。タレント・おのののか(28)は以前、東京ドームで売り子のバイト経験があり、芸能界入り。千葉ロッテは売り子を集めて「マリーンズカンパイガールズ」というアイドルユニットを結成していた。熱烈な追っかけも多く、売り子目当てに足を運ぶファンも出現するほど。そんな球場の名物が消えてしまうとなれば、ファンの楽しみがまた一つ奪われることになりそうだ。