無観客試合 実況アナウンサーが語った「静寂の恐怖」

2020年03月12日 16時30分

無観客のスタンドを背に投げる桜井

 4月中のペナントレース開幕を目指すプロ野球は、12日にも新たな開幕時期の指針が示される。シーズンに入れば全143試合を無観客で行わないことが12球団の統一見解。これに現場の巨人・原辰徳監督(61)も大歓迎だったが、グラウンド外の意外なところでも安堵感が…。“静寂の恐怖”と向き合った、実況アナウンサーたちだ。

 15日までのオープン戦はすべて無観客でファンの歓声は消え、試合中に響くのはベンチの声や打球音ばかり。巨人戦を中継した在京テレビ局のアナウンサーは「通常ならば試合開始前にいろいろなセレモニーがあり、球場全体が徐々に高揚感に包まれますが、無観客だとそれがない。僕らとしても気持ちの高め方が難しいですね」。別のアナウンサーからは「社会全体が自粛ムードで、しかも無観客。そのなかでどこまでテンションを上げて
いいものか…」と嘆きの声も聞かれた。

 また、放送関係者は「普段はスタンドにカメラを向けてファンの様子や描写を挟むことができたけど、無観客ではそこから話を広げることもできない。実況が話さなければ無音。それは怖い部分ではあった」とテレビならではの悩みも明かしていた。

 一方で、無観客となったことで新たな“気付き”があったという実況担当者も。本塁打は実況の華の一つだが、フェンスを越えるかの微妙な飛球について「意外とスタンドのファンの動きを見ながら(着弾点を目で)追っていたんだなということですね。これは新しい発見でした」としみじみと話していた。

 巨人は無観客で行われた11日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)に3―6で敗れ、これで10試合連続白星なしとなった。原監督は「ちょっと矯正しないといけない点もある」とムッツリだったが、開幕延期で調整期間は残されている。しっかりと再調整し、球春到来とともに“無観客地獄”から解放される局アナたちを絶叫させられるか。