巨人 水面下で練られる「開幕延期想定プラン」

2020年03月09日 16時30分

無観客の甲子園球場で円陣を組む巨人ナイン

 備えあれば憂いなし、ということか。巨人が開幕延期にも対応できるよう万全の準備を整えている。新型コロナウイルスの影響で無観客でオープン戦を行っている野球界の願いは観客を入れての20日開幕。だが、4月に開幕を延期するとの声も聞こえ始めた中、巨人内でのシミュレーション内容が判明した。開幕に向けて調整中の現場に配慮し、水面下で練られているプランの中身とは――。

 今年最初の「伝統の一戦」は何とも寂しいものになった。巨人は8日に甲子園球場で阪神とのオープン戦に臨んだが、スタンドを黄色く染める猛虎ファン、六甲おろしの大合唱、球場に飛び交うジェット風船はなく、試合も4―4で引き分け。8戦連続勝ちなしとなった原監督は「そのうち、はい。勝負にこだわるときが来ますから」と淡々と振り返った。

 コロナウイルスの影響は先の見えない展開となっている。現場サイドは20日のDeNAとの開幕戦(東京ドーム)に向けて調整を進めているが、球団側はあらゆる可能性を想定。フロントの一人は声を潜めて「いつ終息するか分からない。我々はどういう結論が出てもいいよう考えている」と話す。

 日本野球機構(NPB)とJリーグが連携した「新型コロナウイルス対策連絡会議」は9日に第2回会合を開く。早ければ12日に専門家チームが提言をまとめるが、前出の球団フロントは「開幕延期が決まったら、すぐに対応できるよう準備している。4月も3、10、17、24日と金曜日開幕の4パターンを考えている」と明かす。

 開幕延期を想定し、今月20日以降のチームの動きもシミュレート。「オープン戦のように全国を回るより、自分の考えでは関東でメットライフドーム、横浜、神宮、ZOZOマリンで、3連戦ずつじゃなく任意でやった方が効率がいい」(同)と西武、ロッテ、ヤクルト、DeNAと関東圏の球団で試合を組む考えがあるという。

 無観客のオープン戦は基本、遠征費用は各球団の持ち出し。“通勤圏”で練習試合を行えれば費用を抑えられる。各球団への打診はあくまでも延期が正式に決まってからだ。

 もちろん日本ハム、楽天、広島、ソフトバンクなど練習試合が組みにくい球団もある。不公平さを考慮し、NPBがリーグ戦の日程のまま練習試合に振り替えた場合は従うものの、有事に備えて球団独自のプランを練っているようだ。

 もちろん理想は予定通り20日に開幕すること。開幕投手に指名されているエースの菅野智之投手(30)をはじめ、そこに向けて準備を進めている現場サイドに迷惑をかけたくない思いもあり、前述のプランはあくまでも水面下で準備しているだけにすぎないが…。

 いまだ全体像が見えないため、安全宣言が出る見通しは立っていない。20日開幕への思いは揺るがないものの、関係者は様々な事態を想定し日々、頭を悩ませている。