ここからどう巻き返していくか――。西武の松坂大輔投手(39)が8日の広島戦(マツダ)でオープン戦初登板。3回を投げて4安打3四球2失点だった。初回こそ三者凡退に料理したが、2回以降は勝負どころでボールが高めに浮き、痛打される場面も。ただ、チームの台所事情から開幕ローテーション入りの可能性は十分にある。本紙専属評論家の大下剛史氏も“平成の怪物”の復活に大きな期待を寄せた。

 松坂にとっては目指す理想の半分にも届かない投球内容だったのではないだろうか。全69球中ストライクは49%の34球。ゾーンの左右高低を使ってボールを動かし、打者に的を絞らせない投球スタイルには致命的な制球の悪さだった。

 投げ終えた松坂は「いい面と悪い面の両方が出た試合だった。ストレートは悪くなかったが変化球は全体的に浮いていましたし、抑えにいくところでも球が浮いていた。全体的にメリハリをつけなければと思いました」と反省。鈴木誠に特大弾を浴びたのも浮いたカットボールで「あれぐらいの打者になると見逃してくれない。全体的に全部同じようなボールになってしまっている。追い込んだ後にしっかり投げたい高さ、投げたいコースに投げられるようにしないといけない」と次回までに克服すべき課題を口にした。

 4番手で投げた3年目の下手投げ右腕・与座が4回2安打無失点と明暗が分かれたが、開幕投手のニール以外は混沌の2番手争いを演じているのが西武先発陣の現状だ。辻監督は「ここまでやってきた選手でも緊張はあったと思うし、いいところに投げようと思ってギクシャクしていた。今日のことを生かして次はもっと力まず投げられると思うし、そこが本当の松坂だと思う」と松坂の復調に期待を寄せる。

 西口投手コーチもしかり。開幕ローテ候補の今井が前回登板で右手指にマメを作り次回登板をスキップすることを明かした上で「(三者凡退に抑えた)初回ぐらいの投球をしてくれるのが理想。ただ制球の部分は修正できるところ。次の登板でしっかり結果を出してくれないと、その先(開幕ローテ)にはつながっていかない。虎視眈々と狙っている人は他にもいるんで」としながら、松坂にまだチャンスの余地があることを示唆した。

 チームからは必要とされている。あとは結果がついてくるかどうかだ。