広島・野間峻祥外野手(27)が進化した姿で定位置奪取を目指している。6日の西武戦(マツダ)では「8番・左翼」でスタメン出場。一死二、三塁の好機で迎えた4回の第2打席でニールのチェンジアップを中前に運んで2打点を挙げた。

 左翼手争いに臨む野間は「アピールしないといけない立場なので結果が出てよかった。一打席一打席を無駄にせず、出たところで仕事ができるようにやっていきたい」。シンプルな打撃を求めて昨年の秋から秋山翔吾外野手(31=レッズ)のようなバットを寝かせる構えに着手。その新打法によって現在オープン戦では打率3割3分3厘と好調を維持している。

 さらに、巨大化した肉体も好調の要因だ。鈴木誠也外野手(25)らと自主トレを行ったこのオフは栄養学もみっちり勉強。「たんぱく質をしっかり取ることが大事。炭水化物ばかりでおなかをいっぱいにしてはいけない」と一日200グラムの摂取を掲げてバランスのいい食事を心掛けた。その成果としてこれまでの限界値だった体重86キロの壁を突破し、89キロにまで到達したという。

 単純に体重が増えただけでなく「変な増え方ではないので、走っていても重いなという感覚はない」と正しい“食育”のおかげで、持ち味のスピードを維持したままでのパワーアップに成功した。チーム内での潜在能力はピカイチ。そのため「課題は速い真っすぐをいかにはじき返せるか」(朝山打撃コーチ)と注文も付けられているが、これは期待の証し。新ボディーで飛躍のシーズンとすることはできるか。