日本ハム・小笠原ヘッド兼打撃コーチはオヤジ世代の鑑

2020年03月06日 16時30分

古巣に復帰した小笠原ヘッド

【楊枝秀基のワッショイ!!スポーツ見聞録】指導ぶりを見ていると、こちらも元気が湧いてくる。さすがは現役時代「ガッツ」の異名を取った男だけはある。今季から14年ぶりに古巣復帰。若手中心のチームを積極指導する日本ハム・小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)が活力を振りまいている。

 2006年、09年のWBCでは連覇に貢献。その当時、少年だった選手たちが小笠原ヘッドの指導にテンションが上がることは理解できる。だが、それに加えて引退後も中日の二軍監督、日本ハムヘッドコーチと、管理職の階段を上る姿に同世代も勇気づけられている。

 実は小笠原ヘッドのもとには同世代から60代男性までのファンレターが届くという。同ヘッドも好意的に捉えており「『実は同い年で現役時代から応援していました』みたいな感じで手紙が届くこともある。自分のような存在が、エネルギーになってくれているとしたらいいこと」と励みにしている。

 40代半ばといえば、世の男性は中間管理職という人も多いだろう。バブル後に就職難の中、社会人となり入社後には大不況を経験。第2次ベビーブームで競争社会を生きてきたが、部下は「ゆとり世代」や「悟り世代」という“不遇の世代”だ。そんな背景だからこそ、引退後もハツラツと若手を指導する「ガッツ」に勇気づけられるのだ。

 日本ハム、巨人、中日で19シーズン、通算2120安打、378本塁打、セ・パ両リーグでMVPと功績を挙げるとキリがない。それでも「指導者としてはまだ5年目。去年までは二軍監督だったので、こうやって上のチームに関わらせてもらうのは初めて。まだまだ勉強中です」と控えめなところもカッコいい。

 古巣にもすっかり溶け込んでいることを指摘しても「それは監督やGMが、僕が入って来やすいように考えてくださっている結果」とどこまでも謙虚。結果を残しても自慢しない。部下に慕われ、上司にも尊重される。ガッツコーチはオヤジ世代の鑑(かがみ)だ。

 ☆ようじ・ひでき 1973年8月6日生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、阪神などプロ野球担当記者として活躍。2013年10月独立。プロ野球だけではなくスポーツ全般、格闘技、芸能とジャンルにとらわれぬフィールドに人脈を持つ。