原巨人期待の右の長距離砲の乗り越えるべき新たな壁が判明した。3、4日の日本ハム戦(札幌ドーム)でイスラエル・モタ外野手(24)は6打席連続三振を喫するなど“一軍のカベ”に直面。「弱点」である右腕の外角スライダーに加え、ネット裏の007に新たなウイークポイントも提供してしまった。丸裸にされるのはプロの宿命とはいえ、モタは自力で現状を打破できるか。

 巨人は5日に札幌から空路、オリックス戦(6、7日、京セラドーム)が行われる大阪入りした。移動中、原監督が「大丈夫かね」と気にかけていたのが強打を買われ先月28日に背番号「44」で支配下登録された右の大砲モタ。若きドミニカンは日本ハム戦2試合連続フル出場も9打数無安打7三振と沈黙。4日は5打席連続三振を喫し前夜から6連続Kとなった。

 この結果に“師匠”阿部二軍監督は「知ってますよ。ぶっ飛ばしてやろうかと思った」と教育リーグ楽天戦が行われたジャイアンツ球場から辛口ゲキ。14年沢村賞右腕・金子、ベテラン左腕・宮西らハム投手陣に手玉に取られたが「それで、何を本人が感じたか。何か変えなくちゃとか思えたならいいけど、そこで今までの育成の時のハングリーさがなくなった瞬間にもっと打てなくなる。研究もそうだし、探求心を持ってほしい」と成長を促した。

 阿部二軍監督の指摘通り同じやられ方だった。6三振の決め球はスライダー5回、チェンジアップ1回とすべて変化球。昨季からファームで圧倒的なパワーを誇ったモタだが、その弱点は右投手の外角に外れるスライダーと知れ渡っていた。

 それだけではない。一軍で実戦を重ねていく中でさらにもう一つの“穴”も発覚。ネット裏のライバル球団スコアラーは「モタは左投手には強いと思われているけど内角のヒザ下に落ちてくるスライダーやチェンジアップに対応できていない。開幕戦で当たるDeNA今永が得意としているボール。これを克服できないようだと相手投手はかなり楽になる」と指摘した。当然、モタも課題は熟知している。連日、石井野手総合コーチとマンツーマンでティー打撃を行い、体が開かないように入念にチェック。変化球の対応に日々取り組んでいる。原監督も「(支配下)会見でママのVTRを見た時の涙の流し方がすごかった。オレたちも感動するくらい。何か期待感があるんだよね」と喜怒哀楽を前面に出す24歳の活躍を願っている。

 コロナ問題による連日の外出禁止にも「温かいおフロに入って、アニメの『キングダム』を見てます」とストレスはないというモタ。プロなら誰もが通る道とはいえ果たして弱点を克服できるかどうか注目だ。