中日のエンニー・ロメロ投手(29)が長期離脱を余儀なくされることが判明し、球団内で悲痛な声が上がっている。

 2月29日の広島とのオープン戦(ナゴヤドーム)で先発したが、4回途中に違和感を訴えて緊急降板。名古屋市内の病院で検査を受け「左肩棘下(きょくか)筋付着部の炎症」と診断されたが、さらに米国の病院で左肩の検査を行うため5日に一時帰国することを球団は発表した。

 加藤球団代表は「手術する可能性が高い。手術をすれば最低でも2か月ほどノースローになる。本人の強い希望で米国で再び検査することになった」と説明し、今季前半戦での復帰が絶望的であることを示唆。阿波野投手コーチも「リハビリを含めて長期戦になるのではという覚悟ではいる」と顔をしかめた。

 ロメロはパイレーツ時代の2年前にも同じ箇所を痛めている。当時は手術を回避できたが、再発した場合は手術は避けられないと告げられていたという。球団幹部は「日本の医者は、当面手術ではなくて保存療法がいいのではと言っているけど、あくまでロメロは米国の先生に手術をしてもらいたいと言っている。我々としては今年(前半戦から)投げてほしいのでオフに手術してもらいたいという希望はあるが、もし今年全然投げないで終わったら、当たり前だけど来年の契約はない。それでいいなら別に構わないけど」と困惑している。

 仮に手術しても約2か月で投球を再開できるため、後半戦からの復帰は可能だが、さらなる不安もある。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、米国のトランプ大統領が日本に滞在したことがある者の米国への入国を拒否する可能性があることだ。「渡米できても14日間も隔離されたりするようなことになれば、ますます復帰が遠のいてしまうのではないか。そもそも、このご時世に渡米するなんてやめた方がいいのでは…」(球団関係者)。中日にとってはまさに弱り目にたたり目だ。

 昨季8勝10敗をマークし、今季も先発ローテの軸を期待されていた助っ人左腕の長期離脱は与田竜にとって大きな痛手だ。