WBC監督決まらず侍ジャパン混迷

2012年06月19日 12時00分

 来年3月の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督人事が混迷している。最大のライバル・米国は先週、ジョー・トーリ氏(71)の代表監督就任が発表されたが、日本はといえば肝心の監督を決める方法がいまだに定まらず、様々な候補者の名前が乱立。適任は現役監督か、はたまた実績ある監督経験者なのか。混迷を極めていることを象徴するかのように、あの〝代表監督経験者〟を推す声まで飛び出して――。


 前回WBCでも混迷した監督選考だが、今回もまた一向に決まる気配がない。侍ジャパンの3月の台湾戦はソフトバンク・秋山幸二監督(50)が指揮を執ったが、中南米代表チームとの試合が予定されている11月以降、誰が監督を務めるのかは白紙状態だ。開幕前には日本野球機構(NPB)内に「侍ジャパンプロジェクト委員会」が発足。日本ハム・島田球団代表を中心に4球団の代表者が、監督選考を含めた準備を進める予定だった。だが監督人事に関しては現在「加藤コミッショナーに一任している状態」(NPB関係者)だ。

 同関係者は「コミッショナーは王さん(コミッショナー特別顧問)に相談して決めるつもりでいる。2人の間では候補は絞られているはずだ」と話す。ではその〝候補〟とは誰か。真っ先に聞こえてくるのは秋山監督だ。「選考基準をはっきりすべきという意見はある。『前年度の日本一監督』なら、どこからも文句は出ないでしょう」(同)

 その一方「現役監督には負担が大きい」との声も根強くあり、NPB幹部を中心に前中日監督の落合博満氏(58)を担ぎ出そうという動きもある。

 だが落合氏は前回WBCの際、中日監督として代表へ選手供出を拒否した経緯が引っかかる。「落合さんだと、素直に協力できない球団が現れるだろう。サービス精神とも無縁の人だけに、興行面でも不安は尽きない」(同)

 また〝実績組〟からは前日本ハム監督の梨田昌孝氏(58)の名も浮上しているが「固辞する意向と聞いた」(球界関係者)との情報もある。

 では前回WBCで連覇を達成した巨人・原辰徳監督(53)はどうか。人気、実績は申し分ない。しかし巨人関係者は「前回も押し付けられた形で監督を引き受けたし、大変な重圧の中で世界一になった。『務めは果たした』というのが監督の本音ではないか。巨人を辞めるなら別だが、球団としてもよほどのことがない限りやらせたくはない」と打ち明ける。

 いつまでも「原ジャパン続投」の声が消えないことに業を煮やす巨人内部からは、ついにはこんな〝推薦〟まで飛び出した。「やりたい人がやるのが一番。どうしても巨人OBがいいなら〝キヨシジャパン〟ではどうだろう」

 確かにDeNA・中畑清監督(58)は、2004年のアテネ五輪で病に倒れた長嶋監督に代わり、監督代行を務めた〝実績〟がある。そうはいっても中畑監督は新米指揮官で、DeNAは現在セ・リーグ最下位。そんな声が出るほど代表監督人事は混迷しているということだ。

 コミッショナー周辺からは「選手会が(WBCへの)出場態度を保留している以上、NPB側が〝出場ありき〟で物事を進められない。ロンドン五輪を控え、野球の話題が先行することへの遠慮もあるかもしれない」という事情もあるが「早く発表しないとスポンサーとの契約条件も縮小するし、グッズ販売にも響く。結果的に運営に支障が出てしまう」(同)と危機感は強い。

 来週明けには実行委員会が開かれ、そこで監督人事も議題に上がる予定だ。大混迷の侍ジャパン監督問題に新たな進展はあるのか。ファンのみならず、球界全体が注目している。

 

WBC参加厳しいイチロー、松坂

来季続投も「原WBC監督」消滅

球界騒然「落合ジャパン」28人発表