ソフトバンク・和田に投球アドバイス 押し売りは承知ですが…

2020年02月29日 16時30分

和田毅

【直球勝負・前田幸長】ソフトバンクの春季キャンプでベテラン・和田毅投手(39)と話す機会があった。

 同じ左腕で背格好もほぼ一緒。タイプ的にもそんなに変わらない。何よりもキッチリした人間性を持っている。いつしか彼を「ワッツ」と呼ぶようになり、距離感も縮まるようになった。

 キャンプでは連日ブルペンで投げ込みを続けていた。「ここまで順調なの?」と聞くと、悩みを抱えていたようで「それが、どうもしっくりこないんですよ。動きに対して…。足を上げたときに『ちょっと違うなあ』という違和感があるんです」。

 年齢的なこともあるのかもしれない。それはさておき、彼の中でモヤモヤしているものがあるのは確かだった。それで私が彼に伝えたのは…。投げる時のテークバック。背中側に手が出過ぎてしまうと右打者へのインサイド、左打者の外角へ投じるボールはどうしても真ん中へ行く確率が高くなってしまう。すると彼も「そういうケースがちょっとあるんですよ…」と吐露。実は気付いていたのだ。

 どうしても投手は力んでしまうと、テークバックを後ろに引いてしまうケースがある。こうなると腕は振れなくなってしまう。だから「あくまでも俺の現役時の感覚だけど」と前置きし「『物足りないよね』っていうぐらいの形で上げてみるのもひとつの手法だよ」と伝えてみた。物足りないようで、きっちり腕が振れるようになるから失投は格段に減らせる。

 そして対左打者には外角一辺倒にならず、インサイドへの投球も全体の5割ぐらいまでに増やせるような自分なりの“コツ”を伝えた。基本的に野球評論家の立場の人間がコーチを差し置いて選手に助言を押し売りするのは好きじゃない。しかもワッツは一流投手だ。ただ、それは承知の上で彼には頑張ってもらいたいから思いの丈をあえて話させてもらった。
 最後まで真剣に聞き入ってくれた彼に「申し訳ないね」と謝ると「いえいえ、ありがとうございます!」。今季のワッツは“やってくれる”と信じている。

(本紙評論家)