広島・堂林翔太内野手(28)が目の色を変えている。26日に打ち上げた沖縄キャンプでは一塁の定位置奪取に向けて猛アピールに成功。プロ11年目を迎えた“背水のプリンス”は「本当の勝負はこれから。変化球にまずは手を出していくようにしたい。広島に帰ってからの練習もすごく大事になる」と引き締めた。

 オープン戦の打率5割と好調をキープする裏には“三振上等”の精神があるという。堂林は「誰でも三振はするものだと思っている。減らすに越したことはないが、あまり気にし過ぎるものでもない。振っていったなかでの空振りならばいい」とキッパリ。三振でもアウトはアウトだと割り切って、強振することが好結果につながっているのだ。

 堂林は公式戦全144試合に出場した2012年にはリーグ最多の150三振を記録し、本拠地のマツダスタジアムでは「150三振写真展」が開かれるなど三振が多いタイプ。だが、ここまでのオープン戦3試合での三振数はわずかに1つと三振自体が減少傾向だ。そうした変貌ぶりに他球団007も「空振りを嫌がって軽打というのがなくなり、しっかりと振り切ったなかで結果を出せている」(セ球団スコアラー)と警戒度を強めている。レギュラー大本命だった松山が腰痛のため戦線離脱したことで、一塁守備をこなすことができる堂林の存在感は日に日に増すばかりだ。

 オフは年下の鈴木誠と自主トレをともにし、助言を受けるなど定位置奪取に向けてなりふり構わずだったが、このキャンプも早出に居残りと若手に負けない練習量をこなし、何とかきっかけをつかもうと必死だ。「チャンスなのでガツガツやっていきたい」と意気込む堂林の逆襲に期待したい。