巨人・宮崎キャンプの大収穫を生んだ原監督のタクト

2020年02月14日 16時30分

宮崎キャンプ打ち上げの手締めを行った(左から)坂本、原監督、元木ヘッドら

“完全放任キャンプ”の裏のウラにあるものとは――。巨人が宮崎キャンプを打ち上げた。原辰徳監督(61)は「非常にいい手応え。『誤算』というものが全くなかった」と例年にない充実感を口にしたが、第3次政権2年目の今年は元木大介ヘッドコーチ(48)をはじめ、首脳陣に任せっぱなし。指揮官は各コーチの成長ゆえと語る一方で、自身から醸し出される“鬼オーラ”を消していることを明かした。

 目立った戦力補強がなかったこともあり、現有戦力の「レベルの高いところでの競争」で底上げを図った宮崎キャンプは、ことのほか大成功だったようだ。実戦が続く15日からの沖縄2次キャンプの一軍メンバーには、ドミニカンのモタをはじめ4人の育成選手を選出。原監督は「我々が思い描いている中でも思いもよらぬ風景が出てきた」と予想以上の収穫に目を細めたが、それを生み出したのが指揮官のコーチ陣“完全放任”だ。

 ヘッドコーチを置かず、新任コーチの指導も担った昨年とは大違い。半ば恒例となっていた大きなアクションでの熱血打撃指導も今年は皆無といっていい。紅白戦での采配、選手交代のタイミングなどにも一切口を挟まなかった。

 この件を原監督に向けると「でも、そこ(任せる段階)まで話しているわけだからね。日頃のミーティングがあるから」と事前の密な話し合いがあるからとしたが、こうも続けた。「自分の考えでやるのは決して悪いことではないが、ややもすると小さな殻の可能性もあるよね。それは日頃のコミュニケーション。『僕はこういう野球を』あるいは『コーチの意見も聞こう…よしわかった。そこは任せる』。そういうふうにすると僕も新鮮なものがピュッと入ってくるケースがある。これはいいこと」。時には聞くだけではなく、年下のコーチを相手に討論に発展することもあるという。

 ここまでだと「放任の背景には普段のコミュニケーション」で終わるところだが、実はそれだけではない。周囲がひそかに恐れる“鬼オーラ”を監督自身が消しているのだ。公の場では時にコミカルな一面も見せる指揮官だが、チーム関係者が声を揃えて言うのは「監督は怖い」。勝負師だけに、どの監督にも怖さはあるが、顔を紅潮させ、あの眼力で迫る原監督の怒り方は格別。意見するのをはばかる関係者も少なくない。

 そんな鬼オーラを消し、話しやすい雰囲気を醸し出しているのか。原監督は「(自身の
怖さは)よくわかんない」としながらも、話しやすさに関しては「そうだね。それは絶対でしょう」。気軽に話せるムードを自ら発していることを明かした。

 沖縄では対外試合へと切り替わり、ついに原監督がタクトを振ることになる。コーチ陣に鍛え上げられたナインたちが、指揮官の期待にどう応えるか見ものだ。