昨年12月には1997年にヤクルトが日本一になった時のメンバーが集まり、ノムさんを囲む会を行った。川崎憲次郎、伊藤智仁、山本樹ら教え子たちは恩師と初めてプライベートで食事をするとあって緊張しまくりだった。

 ノムさんは監督時代、選手と意図的に距離を取った。「全員と平等に付き合うのは無理。一緒に食事に行ったりすると情が移る。周りからも選手起用で“仲がいいからアイツを”と見られる。だから誰とも行かない」との考えからだ。そのことを知らされると、教え子たちは驚き、一気に距離が縮まった。

「今後はもっと多くのメンバーで集まろう」。そう誓い合ったが、これが最後になってしまった。