【ノムさん追悼】生前最後の著作の編集者が語る深イイ話 永遠のライバルONへの意識と共感

2020年02月12日 16時30分

野村克也著「生き残る技術」表紙

 先月末、野村克也さんが生前に出版した最後の著書となった「生き残る技術」を手掛けた竹書房の鈴木誠編集長は、訃報を聞き「あれだけ元気だったのに…。打ち合わせでお会いするときは、多少、下半身が弱ってきたのかなと思うときもありましたが、頭の回転がすごく速い人だった」と悼んだ。

 この本は野村さんがプロ野球選手として26年、監督として計4つのプロ球団を渡り歩き、さらに監督を退いて以降もテレビ、新聞、ラジオなど多方面で活躍を続ける「生き残る技術」を記している。鈴木氏はこの「生き残る技術」のほかに「運」「侍ジャパンを世界一にする!戦略思考」と計3冊の“野村本”を世に送り出した。

 野村さんといえば、亡き妻の沙知代さんとの“おしどり夫婦ぶり”も、よく話題に上った。その沙知代さんが亡くなってからの野村さんには、さすがに大きな変化があったという。

「会うたびにだんだん声が小さくなっていきましたね。元気がないというのではないのですが、体は弱っているのかな?と心配はしていました」と鈴木氏。

 また、打ち合わせでよく話に上がってくるのが王貞治氏と長嶋茂雄氏のことだ。「2人のことはすごく認めていたし、意識していた」という。

 野村さんの現役当時は「プロ野球=ジャイアンツ」という風潮だったこともあり「うらやましい部分はあったと思う」というが「本当にあの2人は練習していたそうです。王さんと外食先で会ったとき、途中で『これから夜間練習があるので』と席を立ったことがあるそうですが、それが自然な振る舞いだったとよく話されていた」。

 鋭い観察眼と深い人間観を持っていた野村さん。もっといろいろ知りたいという読者は多かっただけに残念でならない。