ソフトバンク・城島特別アドバイザー 周囲を感心させた“ジョー言”

2020年02月03日 16時30分

藤本三軍監督に感想を述べる形で黒瀬(右)にアドバイスを送る城島氏

 的確な“ジョー言”も好評だ。ソフトバンクの城島健司球団会長付特別アドバイザー(43)が2日、育成選手ながら高校通算97発の大砲候補・黒瀬健太内野手(22)にアドバイスを送った。指導を受けた本人が大感激しただけでなく、球界から7年離れていたとは思えない完璧な分析に首脳陣も感心しきり。大砲育成が急務のチーム状況にあって、フロント陣もその姿を頼もしく見ている。

 かねて「指導はしません」と話していた城島氏だが、現役時代にともにプレーした経験のある藤本三軍監督からの依頼で伸び悩む若手のフリー打撃を見守った。視線の先にいたのは、昨季から育成選手となった歴代3位の高校通算97本塁打を誇る右の長距離砲・黒瀬。フリー打撃が終わると、黒瀬を横に藤本三軍監督に感想を述べる形で助言を送った。黒瀬によると「インコースの2球に手が出なかったのは左肩が中に入ってしまうから」「体からバットが離れないところが黒瀬君のいいところ」などと数々の貴重な“ジョー言”を得たという。

 置かれた立場を理解している城島氏は「前も言ったように指導はしません。専門のコーチがいるので。藤本さんが『ジョーとタイプが似ているから捕手としてでも、打者としてでも』と考え方を聞いてこられた。捕手として、打者として、こう考えているという話をしました」と説明した。依頼主である藤本三軍監督は感心しきりで「少しの時間で、俺らがずっと見てきて感じていたことを言い切ってくれた。聞いていて分かりやすい。捕手をしていて、こういう打者にはここに投げればいいとか見てきたんだろう。だからこそ、あれだけの強気のリードもできたんだろうしね」とうなるばかりだった。

 現役引退後は釣りに没頭して野球界と完全に一線を引き、評論や解説など野球とかかわる仕事は一切してこなかった。それでもアドバイスは的確で、藤本三軍監督は「あれは釣り人じゃない。野球人よ。だって10年くらい離れていて、少し見ただけでパッと出てくるんだから。釣りをしながらでもバッティングのことを考えてたんちゃうか? 内野安打がないのに打率3割3分を打つんだから、理論や考え方はダテじゃない。また来てくださいと言っておいて」と続けた。

 球団フロントもこの動きを「本当に素晴らしいこと」と頼もしく見ている。チームは野手の世代交代が必要不可欠で特に大砲育成が急務となっている。3年連続でドラフトでは真っ先に野手を1位指名しながらクジを外し、昨年の佐藤以外は投手1位となってきた。現有戦力を「育てていくしかない」のが現状だ。

 大砲候補に挙がるのが育成選手ながら潜在能力を秘めた右の砂川や黒瀬になる。打撃部門ではスーパーレジェンドの王球団会長がいるものの、かねて「右打者と左打者は違うという話をされる」(球団フロント)。右の長距離砲だった城島氏の“考え方”は、中長期的な右の大砲育成にもプラスになるはずだ。

 キャンプ初日はデニムで球場入りし、王会長に注意されて「43歳。初日に怒られましたよ。怒られたというか正されました」と苦笑い。グラウンドでは「僕も若いときは工藤さんにイジめられていました。(捕手の)甲斐、気持ちは分かるぞ」と指揮官をいじって爆笑を誘うなど話題性にも事欠かない。入団会見ではブランクを気にしていた城島氏だが、早くも野球人として存在感を発揮している。