8年ぶりの日本一奪還を狙う原巨人が競争激化のため一軍とファームの格差を徹底させる。4年ぶりの一、二、三軍同時スタートとなる春季宮崎キャンプでは計3戦の「サバイバル紅白戦」を実施。14日からの沖縄キャンプの切符をかけた戦いとなるが、選手のやる気と競争意識を直接刺激するため、宿舎そのものの入れ替えまで断行するという。

 宮崎で行われていた一軍合同自主トレが30日、打ち上げとなった。打撃練習で陽岱鋼にアドバイスを送るなど精力的に汗をかいたキャプテン坂本は「みんなで気付いたことを言い合ってレベルアップしていければいい」と総括した。

 キャンプインすると2月4日の一軍若手VSファームを皮切りに、一軍同士2試合(8、9日)の計3試合の紅白戦が待ち受ける。元木ヘッドコーチは「(育成から)いきなり支配下になり一軍のレギュラーになる可能性はある。ダメなら落としますから」と頻繁な入れ替えを予告している。

 特筆すべきは入れ替えと同時に宿舎も変更となる点。球団関係者は「今年は宮崎にいるうちに一軍との入れ替えがあったら宿舎もキッチリと入れ替えます」とニヤリと笑った。

 巨人は2次キャンプが沖縄・那覇となった2011年以降、故障等を除いて一、二軍の入れ替えは沖縄移動のタイミングで行うのが慣例。宮崎で一軍の練習に参加することになった二軍選手がいても、宿舎はそのままだった。両宿舎は約300メートル離れているため、荷物移動等の手間を考えればやむを得ない。

 だが今年はしっかりと線引きをする。その狙いは一軍とファームに明確な格差を与えるため。一軍宿舎では個室が用意されるが二軍宿舎はベテラン以外、2人部屋となっている。なおファームで練習を行うS(スペシャル)班(坂本、丸、亀井、炭谷)は一軍宿舎となっている。

 ファーム選手が4日の紅白戦でいきなり結果を出して一軍昇格となれば、その瞬間に相部屋から脱出できる。自分の頑張りがすぐに形となって表れるため士気も上がる。一方、一軍スタートとなった若手Gナインは「2人部屋はプライバシーもないし本当にきつい。生き残るためアピールします」とこちらも気合を入れた。

 実際に荷物を運び宿舎を移る姿を見れば他の若手ナインにも大きな刺激になる。以前の巨人キャンプではおなじみの光景だった「宿舎引っ越し」が復活するかどうかは下からの強烈な突き上げの有無にかかっている。