厳しい練習が待っている春季キャンプを前に、なぜか中日ナインが安堵の表情を浮かべている。というのも、昨秋キャンプ期間中に禁止されていたゴルフが今キャンプでは解禁になったからだ。選手にとっては「またゴルフが禁止されてしまうのでは。キャンプ休日の息抜きの一つがなくなってしまうのは悲しい」と最大の関心事となっていただけに、安心して名古屋からキャンプ地の沖縄にゴルフクラブを送るナインが続出した。

 関係者の話を総合すると、昨秋キャンプでは選手へのゴルフ禁止令に加え、キャンプへの参加を免除されたベテランにも「毎日どこの施設で何をしているのか逐一、報告させられていた」(チーム関係者)という。加藤球団代表が「球団はタッチしていない」と話していることから与田監督の方針とみられる。就任1年目の昨季は5位に終わり、選手の気持ちを引き締める狙いもあったのだろう。

 ただ、昨秋にキャンプ休日の楽しみを召し上げられた選手たちには趣旨がうまく伝わっていなかったのか、急なゴルフ禁止令にあらぬ臆測が拡散した。昨年5月に右肩痛からの復帰を目指す松坂(現西武)が練習日にゴルフをしていたことを報道されて騒動となり、球団から処分を科せられたことがあっただけに「与田監督が秋のキャンプで選手のゴルフを禁止したのは、松坂さんの騒動があったからではないかと思う」との声まで漏れたほどだ。

「秋は若い選手が中心だからゴルフなんかやっている場合じゃないということだったのでは。春はベテランもいるし、そんなこと(ゴルフ禁止)をする必要ないという判断なんでしょう」とは加藤代表の見立て。選手たちも「キャンプ休みの前日に飲みに行ったりして、昼まで寝て、パチンコとかするような生活をするぐらいだったら、朝早くからゴルフへ行くのはあり。ゴルフって結構、運動になるし、リフレッシュにもなるので。みんな行くと思います」と今回の措置には大喜びだ。

 7年連続Bクラスと低迷している中日は、めりはりの利いたキャンプで巻き返しへの準備を着々と進める。