巨人・阿部二軍監督の改革 自転車移動に心配の声

2020年01月27日 16時30分

自転車でブルペンと球場を往復する阿部(昨年2月)

 巨人の宮崎春季キャンプに自転車移動が導入される。主に使用するのはファーム首脳陣で、阿部慎之助二軍監督(40)も移動の効率化などを図るべく施設内を自転車で駆けずり回る。一方で、球団のセキュリティー面などの懸念も浮上。ファーム施設にファンが殺到することが想定され、昨春の松坂大輔投手(39=現西武)のような悪夢再来を危惧する声も上がっている。

 指導者に転身して初めて迎える宮崎キャンプに“新兵器”が登場する。球団関係者が「阿部監督の発案と聞いている」と語ったのが、キャンプ地内での自転車移動だ。宮崎総合運動公園の練習施設は154ヘクタールの広大な敷地内に点在。ファームの本拠地となる「ひむかスタジアム」の周辺にも、選手が使用する練習グラウンドなどが複数ある。

 加えて今キャンプでは二、三軍が合同スタート。期間限定で「S班」の坂本ら主力4人も合流し、ファーム全体では総勢52選手にも上る。投手、捕手、内野手、外野手がグループごとに分かれ、各練習場所に散らばってローテーションでメニューをこなしていく。

 すべてが同時多発的に進行するだけでなく、阿部二軍監督は「施設内の移動用に使うよ。車だと(クラクションを)鳴らせないし、危ないじゃん」とも。運動公園内は大勢のファンが徒歩や自転車で移動しており、現役時代と同じように車で移動する場合は徐行が鉄則。こうした状況と「人数は多いけど、できる限り見てあげたい」との新監督の意向を最大限に反映させる手段として、球団側も自転車が“最適”と判断したようだ。

 ただ、一方では懸案も出てくる。球団側がどこまでセキュリティーを確保できるのか、という点だ。

「今年は阿部二軍監督をはじめスター選手だった今のファーム首脳陣、S班が一気に『ひむか』に集まるので、近年にないほどファンが来られると予想しています」とした球団スタッフは「当然、二軍球場の警備員も増やす予定ですが、どれほどの状況になるかは実際に始まってみないと分からない部分もあります。松坂投手のような事故もありましたから、同じようなことが起きないようにしないと…」。

 阿部、村田修、杉内、片岡…と豪華な顔ぶれが並ぶファーム首脳陣。殺到するファンをかき分け、安全に自転車で移動できるのかどうか。二軍首脳陣によれば、自転車を使うのは基本的に首脳陣というが、車での箱乗り移動が原則の選手たちも利用する可能性があるという。

 昨年2月には沖縄・北谷での中日キャンプで当時の松坂がファンに右腕を引っ張られ、肩を負傷するトラブルも発生した。ファンとの距離が近づけばファンサービスは向上するが、同時に接触のリスクも高まる。若手底上げへ腕まくりする阿部二軍監督をサポートするためにも、球団には万全な対策が求められそうだ。