西武ナインが球団のレジェンド・松坂大輔投手(39)とのファーストコンタクトに緊張感を高めている。

 14年ぶりに古巣・西武に戻ってきた松坂。昨年12月の入団会見では「ライオンズに戻ってこれるというのは、家に帰ってきた感覚。決まった時はうれしかった」と帰るべき場所に帰れた喜びを語っていた。

 しかし今回、松坂が帰ってくる現場は“浦島太郎が竜宮城から帰宅するタイミング”。前回在籍時にともにプレーした経験があるのは栗山、中村の2人だけで他のナインにとってその存在は「昔テレビで見たことのある大スター」という未知の存在だ。

 今のところ西武ナインと松坂の初接触はチームにとってキャンプ前の決意表明の場となる28日の「出陣式」となる。新主将・源田が「かしこまって緊張しますけど、(食事に)行けたらいい」と緊張を隠せず、バッテリーを組む可能性のある捕手の岡田は「もちろん会ったこともないですし、変な話、『パワプロ』でしか“使った”ことがない」と松坂を神格化している。

 そして、こんな状況を楽しんでいるのが、実際の松坂がいかに気さくで話しやすい人間かを知っている旧知のコーチ、球団スタッフやフロント関係者だ。

 松坂の入団時から6年間を同じ投手としてプレーした背番号16の先輩・潮崎哲也編成ディレクター(51)は「大輔にとっては自分を知ってくれている人間が何人もいるウチの環境は一番やりやすいと思う」としながら、松坂を“神”のように見上げて構えるナインについてはこう触れた。

「心配いらないと思うよ。話しやすい雰囲気は本人がつくってくれるし、ちょっと一緒におったら(どういう人間性か)すぐに分かるから。トゲのある人間じゃないし、若い子にも垣根をつくらず話しかけやすいはずだから」

 22日にはキャンプのA、B班振り分けが発表され松坂は宮崎・南郷で行われる一軍主体のA班(2月1~19日)に入った。

 現在、沖縄で自主トレ中の松坂について潮崎ディレクターは「今は60メートルぐらいの距離で投げていて、短い距離で強い球も投げていると聞いている。今年は開幕も早いからオープン戦も早めに投げないといけないからね」と調整の順調ぶりも明かした。

 等身大の松坂を知らないナインと本人の遭遇がチームにとってまずはプラスの効果をもたらすであろうことを旧知の関係者はこの段階で確信している。