デッドラインを越えてしまうのか…。巨人は20日にスタッフミーティングを行い、原辰徳監督(61)が“時限爆弾”をセットした。春季キャンプ終了をメドに不動の一塁手が台頭しない場合は新助っ人の獲得に踏み切ることを示唆。一方、球団内部では投手部門強化へトレードも検討対象となっており、投打でまだまだ波乱含みとなっている。

 この日、都内で開かれた会議には一~三軍の全首脳陣と球団幹部らが出席し、改めてリーグ連覇と8年ぶりの日本一奪回を絶対目標とすることを共有。セクション別に詳細な方針も話し合われた。会議後、報道陣に応対した原監督は「空いているポジション」として一塁と二塁、捕手を挙げ、一塁について鋭く切り込んだ。

「北村君とか昨年(イースタン・リーグで)首位打者だった山下君とか、ナカジ(中島)。このへんは大きなチャンスになると思います」とする一方で、手のひらを下げ「このへん(の低いレベル)で勝負しているようでは、外国人選手という部分での準備というのもお願いしている」。当面はキャンプで日本人レギュラーの台頭を待つ。しかし、戦力として物足りないと判断すれば、球団を通じて本格的に新助っ人の獲得に動き、開幕へ突き進む方針を示した。

 助っ人補強をチラつかせながらレギュラー候補たちの尻を叩いた格好だが、実は投手陣も例外ではない。指揮官はこの日、「山口俊(現ブルージェイズ)の穴をどう埋めるか。ずぬけた力がいかに出るかですよ。それが僕が一番望むところ」と語った。今オフ、投手3冠の山口の代役候補にエンジェル・サンチェス投手(韓国SK)を獲得したものの、宮本投手チーフコーチが「まだ日本での実績がゼロ」としたように未知数の部分もある。エース菅野、メルセデスを除くと他の先発候補は高橋、桜井、戸郷、畠…と年間ベースでの実績はなく計算が立たない投手たちが並ぶ。オフには楽天からFA宣言した美馬(ロッテ)を獲得できず、やはり現有戦力からの台頭が待たれる。

 ただ、一塁と同様にこちらも悠長に構えてはいられない。球団関係者によれば「トレードに踏み切る可能性は十分ありますよ。山口が抜けた穴は簡単に埋まるものではないですから。ウチは昨季、優勝したからいいということにはならない。今年も優勝して日本一にならなければいけない。フロントも調査を継続している」という。

 どちらも一応のタイムリミットは一軍キャンプを打ち上げる2月25日となりそうだ。G投に対しても「レベルの低い競争は見たくない」とピシャリとやった原監督が“爆弾”のスイッチを押す日は――。