ロッテ超慎重 佐々木朗は「営業度外視」で育成

2020年01月17日 16時30分

ノックを受ける佐々木朗

 ロッテがドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)を“超熟成プラン”で育成していくことが分かった。チームは春季キャンプでの佐々木朗の二軍スタートを予定しているが、その後の実戦登板やお披露目登板なども極力回避。球界屈指のスター候補生を「営業度外視」で育てる方針のようだが、その理由とは――。

 今月11日から新人合同自主トレで汗を流している佐々木朗。入寮直後は緊張感もあり硬い表情が目立ったものの、今では明るい表情ばかり。自主トレメニューもそつなくこなしており、体づくりが順調にいけば早期一軍デビューの可能性も夢ではなくなりつつある。だが、球団関係者は「どんなにキャンプで体が出来上がったとしても今春のオープン戦期間中に彼(佐々木朗)が実戦登板する可能性は低いですよ」という。

「令和の怪物」と呼ばれ人気、実力を兼ね備える18歳。自主トレ開始2日間でファン2000人以上が球場に詰めかけたことでもわかるように、集客面でもチームに貢献できるスター性がある。となれば、球団としては一日でも早くプロデビューしてもらうのが得策だろうが…。今回ばかりは営業度外視で慎重姿勢を崩さない方針だという。

 要因の一つに挙げられるのがチーム内にある過去の「トラウマ」だ。

 ロッテは2011年以降、ドラフト1位で藤岡貴裕(11年)、石川歩(13年)、佐々木千隼(16年)という大卒、社会人の逸材投手を次々に引き当て、14年にもドラフト2位で京大卒として注目を浴びた田中英祐を獲得。いずれも1年目から一軍デビューをさせた。

 ところが、その中で現在活躍しているのは石川ぐらい。むしろ高卒でドラフト中・下位入団の二木(13年6位)、岩下(14年3位)、種市(16年6位)らの方が順調に成長。チーム投手陣の屋台骨を支えている。こうした現実があるからこそ、ロッテ首脳陣も「超高校級とはいえ、育成重視の方が将来的に大成する」と判断している。

 また「周囲の目」も一軍デビューを遅らせる要素になるという。

「佐々木は今やロッテの一投手というより球界の至宝ですから。仮に予想以上の成長で1年目から登板できるようになったとしても、その後伸び悩んだら、ウチは他球団やアマチュア球界、ファンから『ロッテは育成下手』というレッテルを貼られかねない。ファンの期待や営業面より、こうした悪評が出る方がチームにとっては痛い。つまり、佐々木の育成に失敗は許されない。そんな思いもあるからこそ、首脳陣も彼の起用には慎重にならざるを得ないのです」(前出関係者)

 では、佐々木朗のプロでの実戦登板はいつごろになるのか。
「井口監督は現状、佐々木を今季の戦力にカウントしていない。営業向けの顔見せ登板や、これまでのようなオープン戦を使った『一度プロの打者と対戦してレベルの違いを見せる』というような試験的な一軍登板もさせないようですから。そう考えると早くても3月中旬に始まるファームの教育リーグあたりでしょう」(同関係者)

 熟成を重ね満を持して佐々木朗を送り出すのが今のロッテの基本方針。ファンの期待は日に日に高まるばかりだが、最速163キロを誇る「令和の怪物」のお披露目はまだまだ時間がかかりそうだ。