竜の総帥が新年早々に“策士ぶり”を発揮した。6日に名古屋市内のホテルで中日球団の年賀式が行われ、与田監督が体調不良で欠席する中、白井文吾オーナー(91)はドラフト1位新人の石川昂弥内野手(18=東邦)について「俺は見たわけじゃないし、専門家でもないけど『いいぞ、いいぞ』と、みんなが言う。評判が良ければ、それを信頼する。そうか、そんないいのがおるのか。シーズン始まる前に(沖縄キャンプで)ちょっと見ようかなと。興味はある。楽しみですよ」と目尻を下げた。

 将来の目標として「3冠王」を掲げる石川昂は地元愛知出身でもあり、期待値は高い。その一方で影が薄くなっているのは2年目の根尾昂内野手(19)だ。昨季は黄金ルーキーとして注目されながら一軍出場2試合で2打数2三振に終わり、白井オーナーも「あんまり評判になってないようだね」と手厳しい。

 ただ、そこまで言うのも親心から。「本人がそういうふうだと奮起するんじゃないか。『俺はどうも置いてけぼりを食っちゃいそうだ。これはいかんぞ』と、本気でそう考えたら彼だって出てくるよ。時の勢いというのがあるからね。当事者があんなに騒がれるなら俺も、もうちょっと頑張らないといかんと。そういうふうになってくるでしょ」と2年目の逆襲を誰よりも信じている。