ソフトバンク・田中正義 プエルトリコWLで自信回復

2020年01月06日 21時28分

トレーニングに励む田中

 ソフトバンク・田中正義投手(25)が失いかけたプライドを取り戻し、不退転の覚悟で4年目のシーズンに臨む。入団から3年未勝利の右腕は、今オフにプエルトリコ・ウインターリーグ(WL)で好成績をマーク。覚醒を誓う剛腕が、異国の地でつかんだ最大の収穫とは――。

 現在、オフの練習拠点としている福岡・北九州市内で一心不乱に練習に励んでいる田中。6日も体幹と股関節周りを強化するメニューをひたすら繰り返し、6時間超に及んだが「キャンプまでに『これだけやってダメなら仕方ない』と開き直れるくらいの準備をしたい」。7日以降は投球練習も並行して行う予定だ。

 4年目を迎える今季は結果が出なければ“クビ”を覚悟している。2016年ドラフトで5球団が競合した逸材だが、プロ3年間でいまだ勝利なし。それだけに、球団とファンの期待を裏切ったという気持ちが常にある。だが、今は退路を断ちながらも以前のように精神的に追い込まれるのではなく、ポジティブだ。

 海外武者修行で結果を残し「プライド」を取り戻したことが田中を変えた。昨年11月から年末にかけて参加したプエルトリコWLで、3度の先発を含む6試合に登板して2勝1敗、防御率1・80の好成績をマークした。1投球回あたり何人の走者を出したかを表すWHIP(1・25で平均以上)は驚異の0・85。確かな数字に「頼りにされているなと感じた」と主戦投手を担った。所属したヒガンテス・デ・カロリナでは首脳陣や選手から頻繁に声を掛けられ、食事にも誘われた。「『日本から来たアイツ、なかなかやるな』みたいな目で見てもらえた」

 カロリナのリッキー・ボーンズ投手コーチは昨季、米大リーグ・メッツのブルペン担当を務めた指導者。そのボーンズ氏からは「お前の浮き上がる真っすぐは素晴らしい。それを高めに投げ込めば、打者はそうそう打ち返せない」と認められ、先発ローテの軸に指名された。「そういうふうに扱ってもらえたことで自信になったし、プロとして頼られる存在こそが本来の姿だと改めて思った」

 右腕は「まずは(プロ)1勝に向かって全身全霊をかけてやっていくだけ」と短い言葉に決意を込めた。逆襲のストーリーはすでに始まっている。