中日のドラフト3位ルーキー・岡野祐一郎投手(25=東芝)がプロ入りに向けて練習を重ねている。カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、チェンジアップ、ツーシームと多彩な変化球を併せ持つ右腕がアピールポイントとして挙げるのが、どんな状況でも大崩れしない安定感。マウンドで心を乱さないために様々な工夫を凝らしているという。
「ブルペンでは相手の打者、シチュエーション、配球、カウント、すべてを考えて投げています。同じストレートでもカウント2―2と3―2で投げる球は違う。すべての場面を頭に叩き込んでから試合に臨むようにしてます」と岡野。調子の波がない投球が身上だが「投げる球がないってときは、開き直って野手の方に守備位置を寄ってもらったり。抑えることはできなくても、ここに飛ばせるってことはできるので」と話すなど、不調のときの打開策も頭に入っているという。
常に冷静に戦局を判断できるよう、怒った記憶がないというほど私生活から感情をコントロールしている岡野だが、そんなメンタルトレーニングのうちのひとつがアマ時代に同期からもらったという盆栽だ。「クロマツなんですが、種から育てて少しずつ大きく育っていくのがかわいくて。見てるとやっぱり心が落ち着きますね。多少遠征に行って水をあげられなくてもすぐに枯れるようなことはないので、寮に入っても持って行くつもりです」と、ともに成長していくつもりだ。
趣味も野球観もどこか達観したオールドルーキーは、盆栽のように太く息の長いプロ野球人生を送れるか。