闘将の右腕が昇竜復活のために最後のご奉公だ。中日、阪神、楽天で監督を務め、昨年1月に亡くなった星野仙一氏(享年70)の腹心だった早川実氏(70)が代表付調査役として来年1月から中日に復帰することが分かった。

 早川氏は中日時代から星野監督の側近中の側近として知られ、今年本紙で好評を博した連載「仙さんとともに」を執筆。1987年の第1次政権で監督付広報兼投手コーチ補佐、第2次政権では一軍投手コーチを務めた。スカウトとしてもらつ腕を発揮。中日では野口茂樹投手や荒木雅博内野手の獲得にかかわり、楽天でも則本昂大投手を発掘するなど、その“眼力”に星野氏も厚い信頼を置いていた。

 今回、与田監督の要望などもあって9年ぶりに古巣復帰が決定。加藤球団代表は「アマチュアのことはもちろん、スカウトやトレードとかにも詳しくて、すごく広い人脈を持っている。私が疑問に思ったことなど、いろんな情報収集や調査をしてもらい、報告をしてもらう」と期待を寄せている。

 早川氏は「微力ながら後方支援をしたい。選手として中日に入団してここまで育ててもらって最後の仕事をいただけた。現在、監督は星野さんが育てた与田監督がやっているが、その星野監督の代わりにお手伝いができたら。最後の恩返しをしたい」と張り切っている。

 7年連続Bクラスに沈む中日。星野竜を最も熟知する男の加入は来季8年ぶりAクラス、リーグ優勝奪回を狙う与田竜にとって心強い存在となるに違いない。