今度ばかりは、うまくいくか分からない。来季リーグ3連覇を目指す西武にとって頭の痛い問題が、海外FA権を行使した秋山翔吾外野手(31)がメジャー移籍した場合に1番打者に誰を据えるか。今季は昨年の打点王・浅村が抜けた3番に秋山、外崎、源田、森の4人を起用し、最終的には打率3割2分9厘、105打点でリーグMVPに輝いた森がその座に定着した。

 現時点で辻監督は「金子をセンターにしようと思っている」と話しており、俊足堅守の金子をコンバートした上で打順もそのまま1番に繰り上げるプランを描いている。ただ、今季序盤にも試した「1番・金子」が再び機能しない場合にも備えて代替案を用意しておくことが必要だ。実際に、今季は浅村の抜けた3番に秋山、外崎、森の3プランを用意しておいたことで難局を乗り切った。

 西武には今季100打点超の森、中村、山川と球界屈指のポイントゲッターが揃っているが、それを生かすも殺すもチャンスメーカー次第だ。現状で「1番・金子」の代案として今季は二塁守備と打撃(26本塁打、90打点)で浅村の穴を埋めた外崎の1番での起用が有力視されているが、首脳陣間では「一発もあって打点も稼げる外崎の1番はもったいない」との慎重論もある。

 となれば「メジャーの外崎」こと外野もこなせる新外国人、コーリー・スパンジェンバーグ内野手(28)の適性を見つつ今季29盗塁でファーム盗塁王に輝いた山野辺のブレークに期待するのが現実的な選択肢なのか…。いずれにせよ、今回の秋山流出への対応策には難航が予想されている。