異例の直訴が急展開だ。巨人・岡本和真内野手(23)は節制生活を送っており、シーズン中は110キロ超まで巨大化した体をリセット中。食事制限によって徐々にスリム化するなか「朗報」が舞い込んだ。契約更改の席で訴えた“メロン改革”が球団側に事実上、容認されたのだ。若き主砲も喜びを隠せなかったが、それだけでは済まされないようで――。

 岡本は22日にジャイアンツ球場を訪れ、マシン打撃などで自主練習。シーズン中は動ける体を維持しながら、どんどんボリュームアップさせていったが、オフは一転して「減らす方っすね」と、すでに5キロ減量したという。具体的な減量法としては糖分の過剰摂取をやめ、今季途中から「一番太る原因やな」と突き止めた菓子パンを封印。さらに「もう甘いもんやめようと思って」とチョコやケーキも口にせず、糖分が含まれるジュース類もやめて「水、お茶にした」そうだ。

 すべては「(シーズン中に体重が)絶対増える」体質と相談した結果からの逆算で、不動の4番としての地位を確立するための体調管理に余念がない。そうしたなか、岡本にとってはうれしい知らせが舞い込んだ。たっての希望だった“メロン改革”が来季実現しそうなのだ。

 経緯はこうだ。岡本は今月上旬の契約更改で球団側に「サロンに出ているメロンが硬い…。軟らかい、ちゃんと熟したヤツを」と前代未聞の珍要求。その後、交渉に立ち会った大塚球団副代表編成担当は「言ってたよ。何言ってんのかなと思ったよ、いきなり…」と戸惑いつつも「リンゴとかも、みんな熟したのを置いてやろうかと思ってます」と応じたのだ。

 球団側の前向きな姿勢に、岡本は「マジっすか? 完熟メロン、うれしい」とルンルンだったが、そもそもなぜ「メロン」にすごいこだわりを見せたのか…。岡本によれば「(糖質を)フルーツで補おうと思って。桃とかないんですよ。そこ(選手サロン)にあって一番甘いのがメロンだったんですよ」と死活問題だったそうで「やっぱり夕張メロンよりマスクメロンですね」と何度もうなずいた。

 何ともほのぼのとしたやりとりにも見えてしまうが、実は事はそう簡単ではない。要求をのんだ背景にはフロント側の思惑もあるという。

 別の球団関係者は「岡本は頑張ってくれているし、もちろん言う権利はある。ただ、要望を出したからには求められるのは結果。希望に応えて完熟メロンを置くからしっかり打てよということですよ」とピシャリ。要するに、岡本には“メロン改革”の結果責任が求められるというわけだ。

 2年連続で30発超えを果たし、進化を続ける異色の主砲。来季は「巨人の4番」として、メロンの重圧を乗り越えることも責務だ。