球界現役最年長男の“ざんげ”を受け、複数の球団OBからもう一人の大物の奮起を促す声が漏れ聞こえてきた。12日に阪神・福留孝介外野手(42)が契約更改交渉に臨み、2000万円減の年俸1億3000万円でサイン。会見で「大山にもすごく迷惑を掛けた。彼が4番を打って頑張っている中で、僕がもうちょっと頑張っていれば楽にプレーをさせてあげられた」と謝罪したシーンがきっかけだ。

 今季の福留は104試合に出場し403打席、打率2割5分6厘、89安打、10本塁打、47打点、49四球、得点圏打率2割3分5厘の成績だった。両ふくらはぎ痛で2度の登録抹消もあり、5年ぶりに規定打席に届かなかった。あるOBは「数字としては寂しいが随所でチームを鼓舞する姿が見えた。数字以上に頼もしい印象」と評価する。

 では、もう一人の大物はどうか。103試合で規定打席ほぼジャストの444打席、打率はリーグ3位の3割1分4厘、120安打、5本塁打、42打点、52四球、9盗塁、得点圏打率3割2厘。これは3番として101試合に先発し、大山の前を打った糸井嘉男外野手(38)の成績だ。立派な数字に見えるが本塁打数、盗塁数も移籍後最少だった。

 前出のOBは「期待値のハードルは確かに高いが、大事な時期(8月10日以降)の離脱もあり、どうもハートに届くようなプレーの印象が薄い」と手厳しい。

 別のOBはこう語る。「4番の大山を批判する声が目立ったが、それ以外にもっと叩かれなあかん人がいたはず。チームに居れば首脳陣もベテランも若手も裏方も、誰がもっと叩かれなあかんか空気で分かってますよ。でも、そこで特定の人には何も言えない忖度の空気があるのも事実」。完全にキャラ立ちした「宇宙人」は誰もイジれないということなのか?

 10月上旬に左足首の手術を受けた糸井だが、患部はほぼ完治しているという。注目も期待もストレスも高い環境だが、自分で選んだ道。契約最終年となる来季に「監督を胴上げしたい」と意気込むベテランの奮起を、ファンも熱望している。