広島・鈴木誠也 メジャー挑戦の質問に「察してください」

2019年12月19日 16時30分

チームの日本一と五輪での金メダル取りへ意気込む鈴木

 3冠王で夢に挑戦だ。広島・鈴木誠也外野手(25)が18日にマツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億2000万円増の2億8000万円でサインした。約2時間に及んだロングラン交渉では条件面のほか、来季のチーム方針、若手の底上げ、東京五輪についてもじっくり話し合い、果てはその先の夢までチラリ。今や“侍の主砲”に成長した男の未来予想図とは――。

 プロ入り8年目での2億円突破は球団の高卒野手では最速。それでも文句はどこからも出ないだろう。打率3割3分5厘、28本塁打、87打点はいずれもチーム最高。首位打者と最高出塁率(4割5分3厘)のタイトルを獲得し、4年連続でベストナインにも選出された。

 長時間の交渉を終えた鈴木は「しっかり話し合って評価してもらったので、(はんこを)押させてもらいました」と話すと、金額は自ら公表。球団側とは自身への評価に加えて「チームがどういった方向に向かって戦っていくのか」といったテーマについても話し合ったという。また「僕より下の選手が出てこないとチーム的にも困る。僕が伝えられることは伝えていきたい」と若手育成への危機感も口にした。

 今オフは元新体操日本代表でキャスターの畠山愛理との結婚を発表。それでも「家族のためもありますが、このチームを優勝させたい思いがあるので、野球を一生懸命頑張りたい」と浮かれた様子は全くない。「4位ではやっぱり面白くない。みんなで優勝できるように」とペナント奪回、日本一への意欲を示した。 侍の主砲として全試合4番に座った「プレミア12」では初優勝を果たし、大会MVPに選出された。稲葉監督の信頼は厚く、東京五輪でも主力の働きを期待されている。「もし選ばれるのであれば、日本が一番強いんだよ、というのを見せたい」と金メダル取りへの意気込みを語った。

 一方、交渉相手を務めた鈴木球団本部長は「久々に長い話し合いだったね。マエケン以来かな?」と苦笑いしつつ、今季の評価はチーム最高だと強調。来季へ向けては「これはずっと言っていることだけど、3冠王を取れる選手だと思っている」と一段の飛躍を期待した。

 チームの日本一と侍で金メダルを手にできれば、鈴木自身の夢も加速する。この日、将来的なメジャー挑戦の可能性について質問が飛ぶと、一瞬間を置いてから「察してください」と返した。順調なら鈴木の海外FA権取得は2023年となるが、広島では今オフも菊池涼がポスティングシステムを利用し、現在MLB球団と契約交渉中だ。

 チームメートは口を揃えて「誠也にはできるだけ早く世界で勝負してほしい」と望む。広島としても「夢は後押しする」スタンスだが、注目されるのはそのタイミング。チームがV字回復し、3冠王クラスの成績を残すようなら、来秋にも熱は一気に高まりそうだ。

(金額は推定)