山口俊がブルージェイズとスピード合意 抜ける穴大きすぎた巨人 

2019年12月19日 16時30分

ブルージェイズと基本合意した山口

 ポスティングシステムによるメジャー移籍を希望していた巨人・山口俊投手(32)が18日にブルージェイズと基本合意。球団として山口の夢を後押しした巨人だが、交渉期間を2週間以上残してのスピード決着にチーム内はあたふたしている。ローテーションの要の流出決定はリーグV2と日本一奪回を狙うチームに動揺を与えた。

 山口がブルージェイズと合意したと報じられ、ジャイアンツ球場で汗を流す自主トレ組は「本当によかったです」と祝福ムードに包まれた。ブルージェイズと同じア・リーグ東地区のヤンキースでは田中将大投手(31)がローテの主軸を務め、レイズにはかつてのチームメート、筒香嘉智外野手(28)がポスティング移籍。来季は日本人対決で盛り上がりそうだ。

 そんななか複雑な思いをしている関係者もいる。実は一部で山口が「残留するのでは?」との希望的観測も流れていたからだ。山口にもっとも興味を示していたレンジャーズがサイ・ヤング賞右腕クルバーを獲得し撤退。チームフロントからは「先発でのメジャー契約は難しいのでは。もしもマイナー契約のオファーしかなければチームに残る可能性もあるんだが…」といちるの望みをかける声が出ていた。

 それが来年1月3日午前7時(日本時間)の交渉期限まで2週間以上を残しての電撃決着。韓国リーグ17勝右腕サンチェス(前SK)を獲得するなど、流出は想定はしていたものの、残留の目があっさりと消えたショックは大きい。

 今季チーム最多の170イニングを投げた、長い回を投げられる先発「イニングイーター」山口の不在で、ブルペン陣の負担が増すことは容易に想像できる。中堅中継ぎ投手は「(山口)俊さんが抜ければ自然と中継ぎの登板が増える。個人的にはチャンスだと思ってやるしかない」と来季のフル回転に腹をくくった。

 攻撃面でも山口流出はマイナスになるという。野手の一人は「俊さんのテンポのいい投球は野手にとって守備はもちろん打撃面にもいい影響を与えた。チームの打撃成績が低下するかもしれない」と指摘する。

 実際、今季の山口の援護点は121点で援護率(9イニング当たりの得点)はリーグ1位の6・19。規定投球回以上で同2位・柳(中日)の4・82を大きく上回っている。今季の巨人は、本塁打183本(1位)、打率2割5分7厘(2位)、663得点(1位)と打力で5年ぶりのリーグVを勝ち取ったが、山口が抜けたことで来季はチーム打撃に悪影響を与える可能性もある。

 この日、自主トレに訪れた丸は「自分は2015年のマエケン(ドジャース・前田)さんの時に(エースが抜けるのを)経験している。圧倒的なエースが抜けたチームでも優勝できた。チーム力というのはものすごい可能性を秘めている」とGナインを鼓舞。今季5勝(7敗)のルーキー左腕・高橋は「大きな穴になる。ボクも埋めるつもりでやっていかないと」と気を引き締めた。

 巨人がリーグ2連覇と日本一奪回を実現させるためには、山口の穴をチーム全体で埋めるしかない。