9年間在籍した主砲バレンティンが去ったヤクルトで、後釜に期待されているのが10月末に獲得したアルシデス・エスコバー内野手(33=ホワイトソックス3A)だ。単年契約で年俸80万ドル(約8770万円)プラス出来高払いと驚くような条件ではないが、2018年まで米大リーグのロイヤルズなどでプレーし、通算11年で1437試合に出場して打率2割5分8厘、41本塁打、442打点。15年には遊撃でゴールドグラブ賞にも輝いている。

 奥村編成部国際担当部長によれば「明るいキャラクター。チャラ男という感じ」らしいが「今年はマイナーでプレーしていて、日本に来て成功するというハングリー精神がすごくあります」。ヤクルトの歴代外国人で大成功した選手に共通するのが、このハングリー精神だという。

 1995年から在籍3年で28勝のブロス、99年からの4年間で本塁打王2度のペタジーニも“不遇の時代”を経験し「日本でやってやる」という思いが強かったそうで、奥村部長は「最近ではラミレス(現DeNA監督)もそういう気持ちが強かった選手です」と証言する。

 来日1年目の97年に本塁打王を獲得したホージーはヘルメットにファンからもらったプリクラを張り付けたり、スパイクに愛称の「たろう」と刺しゅうするなどハングリーさとチャラい面があった。「やっぱり真面目なだけじゃなくて、ちょっと変な選手の方がうちでは結果的に成功している気がします」とは別のヤクルト関係者の弁。エスコバーも燕のレジェンド助っ人の系譜に名を連ねる要素は十分にある。