16日にソフトバンクが獲得したウラディミール・バレンティン外野手(35)をめぐり、チーム内で頼れる存在がクローズアップされている。

 2013年に日本新記録の60発を放った大砲で今季も33本塁打をマーク。外国人枠から外れるのも魅力的だ。ただ、一方で気分屋で意外に繊細な面も…。古巣のヤクルトからは、環境や立場の変化、性格面により「うちにいた時のようにはいかないでしょう」などと活躍に懐疑的な声も出ている。

 そんな中で期待されているのがチームの精神的支柱・川島慶三内野手(36)の存在だ。工藤監督の信頼も絶大で状態が悪く出場が厳しい時でも一軍に残されたことがあるほど。ナインとのパイプ役も担える。バレンティンとはヤクルト時代にチームメートで食事に行くなど親しい間柄だった。

 ほかの助っ人野手はキューバ軍団。ポジション争いを兼ねての“合体”が吉と出るか凶と出るかが未知数で心配する声もあるが、その潤滑油にもなれる。過去には“親方格”であるデスパイネにイタズラを敢行。登場曲を「ドラえもん」のジャイアンのテーマに変えて盛り上げてみせた。

 今回は球団からではなく自らの意思で背番号4を譲り99に変更した。すぐさま「僕とバレンティンと2人で話し合いをし、彼をリスペクトしているし、ホークスでもその(背番号4の)姿を見せてほしいという思いから譲る決心をしました」とメッセージを発信した。

「どうやったら早くチームに打ち解けられるかと考えてくれている。獲得と同じタイミングでの発表にしたのもバレンティンが奪ったとならないようにと配慮してのことです。頼もしい存在です」(球団フロント)

 バレンティンは「日本でのこれまでの経験を生かし、ホークスのリーグ優勝、4年連続日本一を果たすために全力を尽くします」。性格も熟知する川島がキーマンだ。