年俸4億円減でも西武に残留したメヒア 来季は侮れない

2019年12月17日 11時00分

9月20日の楽天戦でサヨナラ本塁打を放ち、辻監督(中央右)と喜ぶメヒア

【広瀬真徳 球界こぼれ話】今年も残り1か月を切った今月上旬、個人的に気にかけていた去就が決着した。西武の助っ人エルネスト・メヒア(34)の残留報道である。

 メヒアは2016年シーズン中に結んだ推定年俸5億円の3年契約が今オフで満了。今季は主に代打による75試合の出場で打率2割1分1厘、6本塁打、31打点に終わったため、退団、移籍が濃厚と思われていた。ところが、今月に入り4億円減の年俸1億円の条件を受け入れる形で西武と再契約。大減俸にもかかわらず、来季も同じチームでのプレーを決断した。

 取材を通じて親しくなったメヒアとは、ここ数年、何度も話をする機会があった。その際、いつも話題になったのが「起用法」。特に18年以降はポジション(一塁)がかぶる山川の台頭やベテラン栗山の指名打者起用が増えたこともあり「体調はいいのに、あまり試合に出られない。これも試練なのかな」。苦しい胸の内を明かされたことは一度や二度ではなかった。

 そんな苦悩した姿を見ていたためメヒアにはシーズン中に「もし起用法に不満があるのなら、一度監督や渡辺GMに自分の思いを伝えてみてはどうか」と提案したことがある。だが、生真面目な彼は「野球はチームスポーツ。自分自身の起用法に関することはシーズン中に言うべきじゃない」とかたくなに拒否。自己犠牲をいとわずチームの和を優先して不慣れな代打稼業を受け入れていた。

 年俸5億円とはいえ、シーズンを通して不本意な役割を担い続けるのは精神的に容易ではない。常に結果を求められる助っ人であればなおさら。そう考えれば契約満了の今オフ、他球団へ移籍しても不思議ではなかった。実際、他球団の編成担当に聞いても「好条件で獲得調査を続けていた」と話していた。本人の気持ち次第で新天地での再出発はかなったはず。にもかかわらず大幅減俸で残留したとなれば、球団との交渉で何らかの“着地点″が見つかったのだろう。

 シーズン中に起用法を巡り不平不満をこぼす助っ人が多い中、メヒアは常にチームを最優先に考え、自己主張は極力控える。これまで数多くの外国人選手を取材してきたが、彼ほど温厚で真面目な助っ人は珍しい。

 長距離砲ゆえに確実性は乏しいものの、破壊力抜群の一発と協調性のある人格はリーグ3連覇を目指す西武には不可欠な存在とも言える。

 出場機会さえ恵まれれば本塁打王に輝いた14年の再来も夢ではないだけに…。来季、日本で7年目となるメヒアは侮れない。 

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