考えようによっては不幸中の幸いか。昨季途中から中日のブルペンを支えたジョエリー・ロドリゲス投手(28)が米大リーグのレンジャーズと2年総額550万ドル(約6億円)で契約したことが判明し、なぜかドラゴンズのフロントが胸をなで下ろしている。

 今季は64試合に登板して防御率1・64と抜群の安定感を見せ、3勝4敗1セーブ41ホールドで最優秀中継ぎ投手のタイトルにも輝いた。中日は推定年俸7000万円の格安優良助っ人左腕に大幅増の条件で残留要請してきたが、流出は避けられなかった。

 ロドリゲス側は中日に対して年数は3年以上、金額は総額6億円を超える条件を付きつけていたと見られ、加藤球団代表は「ふっかけてきたのかもしれないが、とてもじゃないけど、そんな条件はのめなかった」と振り返る。引き留められなかったことに一抹の寂しさはあっても、どこか安堵した様子だったのは「怖かったのは巨人ぐらいだったけど、巨人にも行かなかったのは、それだけメジャーでやってみたい意志が強かったのでは」(同)と解釈したからだろう。

 中日は11月30日にロドリゲスを保留者名簿から外しており、すでに代役左腕のルイス・ゴンサレス(27=オリオールズ3A)を獲得している。逃した魚は大きかったが、ライバル球団入りを避けられたことはせめてもの救いだったようだ。(金額は推定)